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シンクロもシングルと同じようにショートとフリーがあって、シンクロのフリーでは、
リフトやジャンプといった見せ場が加わります。
2004年は旧採点方式(6.0満点)を用いていた最後のシーズンです。まだ20名構成ですね。マリゴールド・アイス・ユニティ(以下マリゴ)は、独創性と、物語性にあふれたプログラム展開を
することで有名で、今回は「森の妖精」がテーマだとか。曲はそのテーマをプログラムを通じて表現
するために編集されており、途中はアディエマスを使ってきたり、といろいろです。木が呼吸するかのような振り付けから始まって、森の妖精たちがざわめき始めたと思ったら、
驚きのリフト。落ちる!!! 誰もが会場で息を飲んだ瞬間でした。次はブロックと呼ばれる要素で、4列のブロック上の形ができています。全員が同じ動作を
しながら対角線に進んでステップを踏みます。いかに列をそろえられるかがひとつの見所。
次にウィールに行くまでのトゥステップの場面は、モロゾフさんの振り付けだったという噂を
納得させてくれるかもしれないですね。シンクロ・マガジンの表紙にもなった場面で、
私にとっても一番大好きなショットのひとつです。
風車みたいに全員で回転する技がウィール。その中で最も難しいとされる一本でのウィール。
いかに早くまっすぐの一本の線になれるか、どれだけ早く回転できるかが勝負どころ。
きれいにそろった一列が、乱れぬステップを繰り出す様は見ていて感動します。
バスケットといわれるつなぎ方で、隣の選手との距離は肩が触れ合うほど。一歩間違えれば
隣の選手の足を引っ掛けて転びます。
そしてスムーズにライン要素へ。こちらも一糸乱れぬラインがリンクの反対端へと進んでいきます。
箇所箇所の振り付けが好きですね。いかにも妖精っぽい。
4部隊に分かれてインターセクトと呼ばれる要素へ。通り抜ける動作を含むものは全て
インターセクションと呼ばれます。
ペア要素のリフトに続いてアシステッド・ジャンプ。女同士でアイスダンスに負けじ
劣らずの大技を8ペア同時に行ってしまうのもシンクロの醍醐味。
雰囲気が少し変わってサークル。円が大きくなったり小さくなったり、回転スピード、ステップ
などが見所となります。選手としては円の上でカーブを描いて、さらに皆の間隔を均等にしなくては
ならないので、ラインやブロックよりも気遣うことの多い要素です。皆の顔が見えるという利点も
ありますが。マリゴは最後にスピンを入れてます。
次は要素としての名前が何になるのかナゾの要素です。インセクとも言えるし、
ステップシークエンスとも言えるし、あれは何だろう。でも当時衝撃を受けたのは確かです。
実は次も??な要素です。一時期、2要素が同時に行われるものとして認識されていましたが、
アイソレーションとして捉えればいいのかしら。スピン、ウィール、サークルのコンビネーションに
なっていますね。
ペア要素の連続、とっても感動的な曲にあわせて、ペアリフト、ペアでのビールマン・スパイラルなど
が組み込まれていますね。そのままインセクとウィールのコンビネーションをトランジション(要素
と要素のつなぎ)として、ウィップ(縄、しなり)と呼ばれる難易度の高いインセクに入ります。
なんといっても通り抜けるときのスピード、迫力が見所です。端っこの一番スピードを出す人に
注目してください。このスピードで一瞬で抜けるのが、ハラハラしますよね。
このインセクを境に、アディエマスから山の魔王に戻って、彼女らの演技がまた一変します。
そしてV字を描きながら移動していき、今度はパラレル・ウィールと呼ばれる2本平行のラインでの
ウィールです。列の幅がどれだけ均等でいられるか、まっすぐのラインがどれだけ保てるか、
といったことが見所です。一文字よりも注意しないといけない点が増えるので大変です。
ただ、ラインが短いほどコントロールはしやすくなりますね。どちらが難しいとは一言では
言えません。マリゴ(このチームの愛称)はウィールしながら上体を倒しています。
それもひとつの加点要素になったりします。顔の動きもよく振付けられていますよね。
そして、一番の見所、ノーハンドブロック!シングルで言うストレート・ライン・ステップです。
ここもモロゾフさんか!?と思わせるトゥワークとツイズルの連続。この当時、これだけ早い
ステップを踏むことはとっても衝撃的でした。特にサークルに入る直前の、トゥでホップしながらの
連続3回転(たぶん…)は強烈でしたね。
2重円でのわっさわっさしたステップとともに移動していく様は曲にぴったりで、魔王が怒って
いるのかしらと想像させてくれたり。そしてもの悲しげに終焉していく様は、スパイラルでの
コントロールのよさに心奪われます。最後の盛り上がりは、8スポークのウィールと大胆なリフトで
締めくくられます。
やっぱり20人だと隊形のバリエーションがとても多いなあと感じます。8スポークウィールなんて、
16人じゃ様にならない気がします…。
いまだ国際スケート連盟での議論には決着がつかないようです。減っていく一方とばかり思っていたら
侮れませんね、この競技。増える可能性もあると聞いて、観る観点からすればうれしくなる私ですが、
競技指導的立場で言えば、しんどい部分もありますね。
そう、このときのマリゴの衣装は、よく見ると青いガーターベルトを片方の太ももにつけてるのです。
セクシーな妖精さんですよね。
今度は、「ドラキュラ」をアップロードしなきゃ。マイアミ大学の陸上ダンスコーチが、
「あれほどゴージャスな演技を見たことがない」と表現力において大絶賛したマリゴの演技があります。
お楽しみに。
マリゴールド・アイス・ユニティ 公式HP
http://www.marigold.fi/
2004年 世界選手権 公式サイト
http://www.wssc2004.com/
2004年 世界選手権 試合結果
http://www.isufs.org/results/syswc2004/index.htm