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今年は、イスラムの暦「ヒジュラ暦」の1434年に当たります。
ヒジュラ暦9月のラマダンを終え、シャワル(ヒジュラ暦10月)初日がレバラン(イドゥル・フィトリ)になります。
長かったようで短かった断食月、そしてその後の長期休暇が終わりました。
この時間をゴロンタロで過ごすのも、今年ですでに3回目。
ゴロンタロでどのようにこの期間をすごすのかをご紹介したいと思います。
まずは、やはり断食から。
朝の3時になると、モスクから大音量で放送が始まります。
“朝だ、起きろ、ご飯を食べろ”
日本にあるコンビニ並みの距離にモスクがあり、一斉にスピーカーで呼びかけます。
睡眠が大好きな私でも起きてしまうくらいの大音量。
寝坊して断食前のご飯を食べ忘れないようにと、親切心で放送しているとか…
ご飯を食べた後は、お祈りをしてまた寝ます(笑)
断食期間は就労時間も大変短いです。
10時頃にゆったり出勤し、14時には帰宅します。
出勤している間は気力がなく、ダラ~としています。
仕方ないですね。
この時間帯は外に出ても人通りが少なく、街全体も活気がありません。
帰宅後は断食明けの食事の準備をします。
16時すぎになると、各道路に屋台が出現!
お粥やちょっとしたお菓子、飲み物などを売っています。
数時間前とは全く違い、人々の顔に笑顔が戻り人気の屋台前では渋滞が起こるほど、すべてが活き活きしています。
断食明けの食事をレストランでする場合には、注意も必要です。
各レストランには人が大勢訪れます。
断食明け30分前では、もう席もありません。
1時間前には席を確保し、注文したいです。
人が増えると、料理が運ばれてくるのが断食終了後になるからです。
ご飯が終わると、レバラン用のお買い物に市場やモールへ。
ラマダンが始まると、市内の商店街では道路を完全に封鎖して市場が軒を連ねます。
レバラン用に服やカーテン、食べ物など様々な準備を行いますが、ここの市場で買い物をします。
断食終了後から翌日の断食が始まるまで、夜通し市場は開いていて、たくさんの人が訪れます。
ずっと、私は疑問だったのですね。
日本なら、季節が変わるごとにセールが開催されます。
しかし、洋服が変わらないインドネシアでいつセールを行うか!
1年中が夏であるインドネシアでは、ラマダン中にセールが行われます。
市場の値段も据え置きですが、品質が劣ります。
ゴロンタロの方は市場で買う物とモールで買う物を分けているとのことでした。
洋服などはモールで買い、伝統的なお菓子や食商品は市場で調達する。
断食が終了する3日前からは、ゴロンタロ伝統である“Tumbilotohe(灯りの祭典)”が開催されます。
この祭典については去年もご紹介しました。
数か月前にガソリンの値段が値上げされたので、今年もランプは少なめでした。
しかし、これは想定の範囲内です。
今年は素敵なランプを見るために、田舎を訪れました。
田舎と言っても、街から自転車で30分ほどの場所です。
ランプに灯をともすのは子供たちの役割です。
灯りの祭典が終了すると、断食も終了します。
翌日から始まるレバランの買い物に、街中は大渋滞。
ゴロンタロにこんなにもたくさんの車やバイクがあるとは知りませんでした。
いつもは10分で行ける場所も1時間以上の移動時間が必要でした。
レバランが始まると、家族や仕事関係者への挨拶周りです。
一人ひとりと握手をして“Mohon Maaf Lahir dan Batin(日頃の過ちをお許し下さい)”と挨拶をします。
最初の年は、ホストファミリーのご家族と会うだけでしたが、知り合いが増えると回る場所も増えます。
今年は大学関係者だけでなく、州知事・各市長・地元の有力者・歴代のゴロンタロ学長宅など、挨拶を交わしました。
ゴロンタロではラマダン初日から数えて一週間後に伝統的な祭りが開催されます。
この日が終わるまで連休のようなものです(笑)
この期間・時間をゴロンタロで過ごすことが出来、私は非常に嬉しかったです。
ゴロンタロの伝統やイスラム教における重要な時間をシェアすることが出来たからです。
しかし、余韻に浸ってはいられません。
愛媛大学から先生・生徒さんが訪問予定です。
今年は今までにないくらいの長期滞在+大所帯です。
出来る限りの準備をして、お迎えしたいと思います。