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2013/08/09

こんばんは、酒井孝祥です。

ちょっとコラムの掲載に間が空いてしまいました。

なぜ空いてしまったかと言えば、今昔舞踊劇の本番の前に、日本舞踊の浴衣浚い会を控えており、その稽古と今昔舞踊劇の稽古を同じ日に掛持でこなすような日があったりと、かなり余裕がない日が続いたからです。

稽古場を掛持するというのは、珍しい話ではありません。

ある公演の出演者の中に、別の本番も抱えている人がいて、

「次の稽古場にいかなければいけないので、今日はお先に失礼します。」

と言って先に上がるようなことも日常茶飯事かと思います。

むしろ、色々なところから役者が集まって創る公演で、全員が全員その公演1つのみに集中出来る環境の方がむしろ珍しいでしょう。

掛持で稽古するにあたってとても大切なことは、気持ちの切り替えだと思います。

日舞の稽古が終ってから、息つく間もなく芝居の稽古場に行く間、さっきの稽古で悔しかった反省点を思い返したい気持ちと、次の稽古で失敗しないために段取りを再確認したい気持ちの両方が入り交じります。

しかし、後先のことがごっちゃになると、結局どちらも手つかずになることが多いです。

だから僕は、同じ日に掛持で稽古するときは、終ったことから気持ちを切り替えて、その次の稽古のことに集中することにしております。

日舞の稽古から芝居の稽古に移動する場合、日舞稽古が終った直後は、着替えの部屋内で動きを軽く反芻したり、舞踊符を描いたり、その日のダメ出しを書き連ねたりしますが、先生の家を出たら、いったんはサラッと忘れて、次の稽古に集中します。

最悪なのは、次の芝居の稽古の空き時間にも、その前の日舞の稽古の振りを浚ったりしてしまうことです。

以前にそれを注意されたことがあって気が付きましたが、集中力が散漫になるばかりか、1つの作品を創り上げようと皆の心が1つになっている場所に、異物を混入させるようなことは、とてもよろしくありません。

特に僕は、役者と語りと踊りで名前が3つある人間なので、名前に合わせた意識の切り替えを大事にする必要があります。

2013/08/09 09:39 | sakai | No Comments