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こんばんは、酒井孝祥です。
毎年出演させていただいて、今年で3年目になるのですが、本年9月に東京の靖国神社、10月には山梨の甲斐善光寺にて行われる、「今昔舞踊劇」という公演に出演いたします。
今回からしばらくの間、古典芸能修行中の酒井が、古典芸能の要素を含んだ一つの作品に携わって、その作品を創り上げていく道のりを「今昔舞踊劇への道」と題して連載していきます。
第一回目は、酒井がこの公演と出会った発端です。
もう数年前になるのですが、たまたま知人が出演している、あるお芝居のチラシを見つけて、足を運びました。
そのお芝居がなかなか面白い内容だったので、後日その劇団のホームページを見たところ、主要メンバーが日本舞踊を習っており、主催者は日本舞踊のお名取さんであることが分かりました。
このJunk Stage「和に学ぼう!」の趣旨の通り、酒井は、古典芸能の持つ魅力を、古典芸能そのものではない別のジャンルの舞台で活かすことを、その当時からも目指しております。
もしかしたら、この劇団は、その自分が抱いた志を実践しているのではないか…?
そう思って、その劇団が次に行う「今昔舞踊劇」という、靖国神社内の野外ステージで行われる公演に足を運んだのですが、自分が想像していた以上のものを目の当たりにしました。
決して歌舞伎や狂言の家に生まれたわけではない俳優達が、能舞台を模した舞台上で、古典芸能的な演出要素をふんだんに盛り込んだ作品の中で生きていました。
日本に古くから伝わる物語の数々をオムニバス形式で上演するスタイルの公演ですが、特にそのときに印象を受けたのは「ろくろ首」という作品です。
「ろくろ首」と聞くと、首が長く伸びる妖怪がイメージされるかと思いますが、この作品では、首だけが身体から離れて飛んでいく妖怪達が登場し、怪力の僧がその首達を蹴散らしていくというアクション仕立ての構成です。
その妖怪達が、日本舞踊的な扇子の扱いと衣装の引き抜きに加え、イリュージョン的な演出によって、実に見事に表現されていました。
僕はその公演を観て、思わず次の日のチケットも買ってしまいました。
パーカッションの生演奏をバックに、日本舞踊と殺陣、そしてイリュージョンの演出が盛り込まれ、早替えに次ぐ早替えにも定評のある、大人から子どもまで楽しめるエンターテインメント作品…
「今昔舞踊劇」こそが、自分が理想とする公演に最も近いという確信があったのです。
そして、今はその公演に出演し、同時にその魅力を広める立場にあります。