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こんばんは、酒井孝祥です。
「それでは、お二人による初めての協同作業をご覧いただきましょう。ウエディングケーキご入刀です。」
などというコメントを結婚披露宴で耳にしたことはありますか?
結婚の誓いを挙げてから、初めて二人が手を添えて行う作業ということで、その様なコメントが用いられると思うのですが、酒井はこの“初めての協同作業”という響きがあまり好きではないので、まず使いません。
さて、これからケーキ入刀ということになると、お二人が立ち上がり、ケーキの近くまで歩み寄り、キャプテンが入刀の段取りを説明します。
この、ケーキ入刀のアナウンスから実際にナイフが入るまでの間を、司会者は繋がなければなりません。
このケーキ入刀までの間と、サービススタッフが乾杯酒を注ぎ始めてから全員に注ぎ終るまでの間をいかに繋ぐかが、司会者の腕の見せ処かもしれません。
そもそも結婚披露宴でのウェディングケーキ入刀にはどの様な意味合いがあるかご存知でしょうか?
それには諸説があり、古代ギリシャに由来するものやら古代ローマに由来するものやら色々あるようですが、共通して言える要素は、穀物で作られたケーキは、豊かさの象徴であるということです。
それにナイフを入れる、即ち複数の人が食べられるように分割するという行為は、豊かさを分かち合おうとする行為に匹敵するというわけです。
さあ、これからケーキ入刀、でもスタンバイ完了まで少し時間がかかる…というとき、特別話すネタがなければ、ウェディングケーキの由来として伝えられている話の中から1つをピックアップして、その場を繋ぎます。
そこで無音状態を作ってしまったらプロ失格かもしれませんね。
ウェディングケーキの由来に限らず、ケーキに散りばめられたイチゴでさえも、その意味合いを説明して繋ぐことが出来ます。
幸いなことに、結婚披露宴司会の場合、同じお客様を相手にすることはほとんどありませんので、ケーキのエピソードで全く同じ話を毎回しても、
「この人また同じ話してるよ…」
というマンネリ感は出ません。
そう思う人がいたとしても、それは会場スタッフだけです。
ケーキ入刀のときには、得意技のごとくに、あるコメントを必ず入れるという司会者さんもいます。
ケーキ入刀の繋ぎコメントは、何も由来に限ったものではありません。
ウェディングケーキのデザインにこだわる新郎新婦も多く、車やバイクが好きな人だったら、それをデザインしたり、スポーツが好きだった人であれば、その用具をデザインした特注ケーキが用意されることなどもあります。
飴細工などで、お二人のミニチュアが作られて飾られることもよくありますね。
以前、新郎が高級外車の営業マンだったとき、その車のロゴが入ったウェディングケーキがワゴンで運ばれてくるなんていう場面を実況したことがあります。
こんな風にウェディングケーキにまでお二人のこだわりが見られるようであれば、そのポイントをアナウンスしない手はありません。
酒井がこれまで見たケーキ入刀の中で一番印象深かったのは、お二人がケーキ入刀をするという段になって、別のケーキが2つサプライズ登場し、両家の親御さまも合わせての、3組同時のトリプルケーキ入刀でしょうか。
ケーキ一つとってもコメントのネタはつきません。
次回は、「稽古禁止」(古典芸能)をテーマにしたコラムをお届けします。