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2013/05/13

こっちに来てから、小金持ちから、貧乏気味の人までたくさんのフィリピン人と話した。
下品な話から、真面目な話、色々話した。
正直大方が「日本人の方が可愛い!」だの「フィリピン人が最高だ!」だの
下衆い話だけど、それでもたまにはシリアスな話になる。

言語の壁から普段はとっつきにくい外国人でも、話せば人間。
だから皆、将来の夢を持つ。これを聞くのは結構僕の楽しみの1つだった。
人の将来の夢を聞くというのは結構楽しい。
将来の夢について話合うのはいい刺激になるし、
純粋に応援したくなる夢を聞けるとこっちまで嬉しくなる。
でも、フィリピンの人に将来の夢を聞くと聞くと大体の人がこう言う。
「幸せな家庭を築いて、楽しく暮らす事かな。」

 

 

 
僕には夢がある。
残念ながら、でっかい事でも、世の中人の為でもないけど、
40歳までに、どうしてもやりたい事がある。
考えただけでワクワクが止まらない、夢がある。
帰国したらそれに向けて早速準備していくつもりだ。

 

僕に限らず、僕の同い年では、みんなそれぞれ様々な夢を持っている。

「海外で活躍したい。」「ビジネスを成功させたい。」
「ただ、幸せな家庭を築きたい。」「アーティストとして成功したい。」
「ボランティアを続けて、人の為に働きたい。」

フィリピン人と話して、段々と考え始めた。
このように、十人十色、大小問わない様々な夢を持てるのは先進国の特権ではないか。

 

 

後進国の人には能力はあるのに選択肢がない。
ある先生はスペイン語、英語、フィリピン語、インド語が話せる。
コミュニケーション力も僕たちより高く、仕事に真面目で遊びも知ってる19歳。

日本ならばバリバリのエリートコースで、それこそ選択肢は無限にあって
色んな分野で活躍、挑戦できると思う。
むしろしなければ居ても立ってもいられない、そんな逸材だと思う。

 

しかし夢を聞けば、
「奥さんと子供を持って、幸せにすること。」だ。

 

これは悪い事ではもちろんない。むしろ何よりも優先すべき夢だと思う。
多くの日本人もこれを前提に夢を持ってると思う。

が、フィリピンの人たちは聞いてもこれ以上がないのだ。
「世界中で活躍するビジネスマンになる!」「自分でビジネスを始める!」
こういう類いの夢をほとんど聞かない。
最初は何も疑問に持たなかったけど、段々と違和感を感じ始めた。
たぶん大きな夢を持つ機会が日本より圧倒的に少ないからなんじゃないかと思う。

まず後進国ではー少し極端だがー「明日生きること」が第一である。
1夫婦が持つ子供の数は日本の比ではない。
その分、しっかり稼がないといけない。がしかし、日本ほど職があるわけではない。
日本のように高校生がバイト、なんてとても少ない。働く場所がないからだ。
だから夢なんて持つ暇なく、明日を生きる為に精一杯だ。

情報量、早さも日本より劣る。
自分の住んでいる世界以外を知る機会がない。
ある人は、日本産のバイクに乗りながら、「日本なんて何も知らんわ。」と言った。

日本人はあり余った恩恵と情報の多さで自ら首を締めている。
自分より充実した生活している人を見ると、落ち込む。
自分の持っているものに永遠に満足しない。
選択肢が多すぎて、気付かない、選べない。

果たして何人の日本人が自分の環境に感謝して、
多くの選択肢から最適を選び、日々を楽しんでいるか。

 

 

フィリピン人は人生の楽しみ方を少なくとも日本人より知ってると思う。

休憩時間には、皆で歌い、ジョークを言い、汚い言葉叫んでいる。
金曜日仕事が終わると、学校の一角はクラブのようになり、
お酒と大音量の音楽とともに、生徒と先生が混じって汗だくで踊り始める。
正直むちゃくちゃ面白い。
日本でこんな先生見たことない。こんな学校は見た事ない。
町の人も目が合えば、微笑みかけてくれる。明るい。

 

 

・・・先にフィリピン人が日本人のような夢を持たないのは、
「持つ機会がないからだ」と言ったが、それに1つ追加したい。
「今の生活を楽しんでいる」からじゃないか。

 

 

 

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マクロで見れば楽しんでいるのは日本
ミクロで見れば楽しんでいるのはフィリピン
これが、今の僕の意見です。

2013/05/13 09:21 | kitaura | No Comments