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アメリカにいた頃もそうだが、
いくら日常生活ができるようになったからと言って、
テレビ番組や映画のセリフ一字一句聞き取れるようになる訳ではない。
11年もアメリカに住んではいたけれど、最後まで英語は不得手なもので
日常的な会話や、表現が難しくないものは問題ないが、
法律もの、アクセントが強いもの、人間関係が複雑でそれを説明されたり
コメディものや、早口でまくし立てたり、言葉遊びでストーリーが成り立つものなどは
ほとんど意味がわからなかった。
もともと日本にいた時からテレビを見る習慣がなかったこともあり、
テレビ番組を見るのは面倒で、結局は今頃初めて海外ドラマの楽しさを知る、
ということになる。
一方映画は好きだったので良く見たが、理解力の状況は変わらず、
身振りや手振り、表情、そしてその後の展開からなんとなく言っている事を想像し、
ストーリーを楽しんだ。
だからその頃見た映画を改めて日本で字幕付きでみると、
大筋はあっていて、楽しむポイントにはそうズレはないが、
ところどころ記憶と全然違っていたりする。
けれどコラムに書く時はそうもいかない。
書くからには、そして書く理由がそもそも表現の違いなのだから
“こんな感じ?!”で進行するわけにはいかない。
最初に映画を見ながら英語のセリフを耳で拾い、
日本語字幕を目で見て、面白そう、と思うと
改めて英語の字幕表示に設定し、原文を確認する。
そんな作業をしていると、アメリカのテレビの機能に
『キャプション』というのがあったことを思い出す。
調べてみると正式には“closed captioning”と呼ばれる聴覚障害者及び難聴の人への
アナログテレビの文字多重放送、といものらしい。
そして、この文字表示はテレビ側にも表示機能がついていないと見ることができない。
私たち留学生の間では、この“キャプション付きテレビ”というのが
英語の聞き取りの勉強にもなるし、テレビ番組の内容もわかるので、
すごく重宝していた。
もし、海外ドラマや映画から英語を勉強したい、と思っている人がいるならば
ぜひこの英語字幕表示をうまく活用することをおすすめする。
まずは字幕なしで見て、そして次に英語字幕で見る、というのがいいと思う。
耳で聞き取れなかった言葉を一字一句照らし合わせられ、不明な単語は調べればいいし、
何よりも音として言語を覚えることができ、どんな状況で、
どんな表情や情緒で使われるかも分かり、それが体得への近道となる。
ところで、だが、たまにだけれど英語の字幕がないDVDがある。
今コラム用に調べているウッディ・アレンの『ギター弾きの恋』が正にそれ。
いくつか違う種類のDVDが出ているのでいろいろ調べて見たが
結局英語字幕の入ったDVDは見つけられなかった。
更に、英語のシナリオがどこかに落ちていないかWEB検索してみたけれど、収穫なし。
なので耳で聞き取り、日本語吹替を聞き情報を補い組み立てることに。
それほど重要ではない箇所とは思うが、もし、と思うと確実にはしたいところ。
果たして仕上げることができるのか、、かなり心配です。