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みなさんは、パートナーの匂いをどう感じてらっしゃいますか?
歩く「匂いカミングアウト塔」の私です。呑んだ席ではけっこうそんな話になり、みんないろいろ明かしてくれます。
「私、彼の匂いが大好きなんです。匂いの相性がいいんです。運命の人だと思います。」
そういう話はとてもよく聞きます。
「女性は、父親の匂いと同じ類ではない男性を好む」
そんなリサーチ結果もけっこうよく聞きます。
じつは私、そういった「匂いが人間の性愛を左右する」論については、否定派です。
「フェロモン」についても、否定派です。
フェロモンは、それを嗅いだ瞬間にいてもたってもいられずセックスしなければいけない、
それほど強力な化学物質です。
昆虫はフェロモンにより交尾しますが、人間の社会システムはもっと複雑。
人前で交尾なんて始めたら犯罪です(^^;)。
人間は進化の過程で、フェロモン受容体が退化してしまったといいます。
それは社会生活を営む上で邪魔だったから。
つまり、フェロモンがあったとしても、それを受け取る受容体が無いので、フェロモンの意味がありません。
研究結果といっても、お金の絡んでいない純粋科学の研究などこの時代には希有です。
フェロモンがあると仮定していた方が、儲かる話もあるわけなので、
研究結果にはかなりの吟味が必要です。
でも、そういったフェロモンじみた化学物質の存在は否定しません。
科学が全て解明できているわけでもないですし、
実際、アンドロステノンとかアンドロステノールとか、汗に含まれる成分に
催淫作用があるといわれているので、これは擬似的なフェロモンと言えますしね。
しかし、もし仮にフェロモンに従って運命の相手を嗅ぎ分けられ、
ストレートに行動できる(即交尾することができる)のであれば、
まさに昆虫的行動型の人ですが、そんな人は多くはないでしょう。
それはそれでものすごくハッピーな人かもしれませんけどね。
「いや、この子あまりカワイいくないし」「やっぱりあの人の方が年収高いし」みたいなエゴが働くのが人間のサガです。
麗しい美女を前にして「この人とすごくエッチしたい」そう思うのであれば、
その原因はフェロモンではなくて、想像や期待です。
容姿がものすごく悪くて、不潔で、社会的地位も全くなくて、性格も社交も問題のある、
そんな人なんだけどその人に会った瞬間、人前だけど即交尾したくなった、なんてことがあったら、
その原因はフェロモンでしょうけどね・・・(^^;)。
しかし、このような人間由来のエゴで、
本来嫌いなタイプの匂いでも軽々と乗り越えてしまうのが、人間のすごさだと思います。
年収の高い相手が私のことを好きになってくれた → エゴが満たされる → 私はハッピー → 相手の匂いが好き
こういう条件づけがされるのです。
つまり、匂いが好きだから相手のことが好きなのではなくて、その逆なのです。
その証拠に、ムード険悪な夫婦は、相手の匂いを嫌い合っている確率が高いともいいます。
そうなんです。そうなんですけどね。
最近、気になる記事を見かけたのです。
WIRED.JPより
「花粉症の人は恋をする」:そのメカニズムを解明
「花粉症を発症した人は恋人ができる確率が高まる」との調査結果を裏づける変化が起きていることが発見された。花粉症患者の体内では何が起きているのだろうか。そして花粉症と恋の因果関係とは? 何と被験者の鼻腔には、フェロモン受容体をもつ細胞が生じているという。
ザハディ教授らの研究では、花粉症が引き起こす慢性的な鼻粘膜の炎症により、一部の細胞がフェロモン受容体をつくり出すようになることを解明した。
http://wired.jp/2013/04/01/season-of-love-april-fool-2013/
・・・これが本当だとしたら、人類の驚くべき進化です。
私もオランダでひどい花粉症になり、生活に支障をきたして日本に帰国した身なので、人ごとではありません。
これまでのじぶんの経験からいえるのは、
「確かに、鼻の奥がむくみ、何かまったく違う器官に変化しちゃっている感じはある。でも、花粉症が酷いときは匂いは嗅げなくなるし、気分はフェロモンどころではない。」
花粉症の多くの方は同意してくださるはずです。
しかし、じつに興味深い研究結果です。
ちょうど今、私の持病である牧草花粉症がオランダで始まっており、毎日寝込んでいます。
日本に帰るまであと半月の我慢。
ぜひ今シーズンは、フェロモンを嗅ぎ分けてみたいですね(^^)。