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例年に無い残暑で秋は来ないんじゃないかと思っていたら、北海道はあっという間に秋に切り替わってしまいました。
早朝(というよりは夜中)沖に出る時は、涼しいというより寒いぐらいです。
体調管理が大変ですねぇ。
では、前回に引き続き。
◆自分にあった漁師スタイルとは何か?を考えよう。(親方の場合)
親方(すなわち自営)で漁師を営むためには、最初はどこかの船の乗り子からスタートする必要があります。
地域の漁業組合の方針にもよりますが、3ヶ月から1年ぐらいで准組合員か組合員の資格審査が行われ、そこで資格が認められれば親方として自営できるようになります。
多くの場合、漁師は世襲で行われるので、全く外部の人間が組合員になろうとすると余計に経験期間を問われる場合もあります。
当然のことながら、船舶免許や無線免許等、操船関係の免許は自分でとっておく必要があります。
ちなみに、危険物取扱者や小型クレーン、玉掛けなどの免許も結構役に立ちます。
土木・建築関係からの転職者は結構ラッキーかも知れませんね。
親方のメリット・魅力は、全く自分自身ですべてを行えるところです。
どの漁をするか(組合で許可された範囲で)、どの時間働くか、全ては自分次第。
当然これはデメリットでもありまして、捕れなきゃ食えないですし、資金繰りなど経営者としての手腕も問われます。
捕れなきゃ食えないというのは本当に切ないものです。
資材等必要経費は容赦なく請求されますしね。
親方になれば他の漁師とはライバル関係になりますから、捕れなくて困っていても「腕のないお前が悪い」で終わりです。
ここは、創意工夫で頑張っていくしかありません。
そしてなにより、ほとんどの漁種では親方になればほぼ完全に家族を仕事に巻き込むことになります。
少なくとも奥様は。
乗り子であれば生活時間帯が変化するぐらいで済むかもしれませんが、親方はそうはいきません。
親方になりたてであれば、人を使う余裕などまずありません。
転職前の家族、特に夫婦間の合意が非常に重要になってきます。
奥様も漁組の婦人部などに参加しなくてはならなくなるかもしれません。
浜の母さんたちとの人付き合いに慣れるのは、なかなか大変なものです。
乗り子にせよ親方にせよ、転職前には想像もつかなかった苦労が必ずやってきます。
「こんなはずじゃなかった」なんて思いは数えきれないほどするはずです。
そこを超えて、やはり漁師という仕事に魅力を感じられるか。
どんな転職とも一緒で、憧れだけでは成り立ちはしないのです。
(つづく)