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あ、別に前回の日記、
宣伝のために嘘を書いたわけではありません。
誇張もしてません。単なる事実です。
予め、一言申し添えておくのでございます。(笑)
まずは、概要を書いておきます。
ほわっとオペラ第41回公演
歌劇「フィガロの結婚」
4/29(祝)11時開場 13時開演
全四幕 原語・字幕付
4900円(お食事付)
伯爵…坂上洋一
伯爵夫人…山田恵
フィガロ…佐野充信
スザンナ…久保尚子
ケルビーノ…安達咲月
マルチェリーナ…水野昌代
バルトロ…富永奏司
バジリオ…神矢匡
クルツィオ…木村庄輔
アントニオ…山崎亨
バルバリーナ…向谷紗栄
ピアノ…石原綾乃、西田晴香、澤田奈津季
指揮・演出…梵智惇声
お好み工房ほわっと
豊中市桜の町6-10-3
ロマンチック街道T.sビル2階
06-6855-8303
お食事は例によりまして、前食事、後食事をお選びいただけます。
さて、あれだけ愛しているフィガロなんですが、
それだけのことあって、今回もいじくりは満載です。
演出の仕方なんて、ある意味いろいろあるんですが、
こういう分類も出来るでしょう。
・好きだからいじらず、そのまま。
・好きだからいじくる。
・嫌いだからいじくる。
・嫌いだからやらない。
嫌いなものを、そのままいじくらずにやる、
なんて選択は、私には考えられません。
気に入らないのだから、気に入るような形に読み直すか、
初めからやめておくか、どちらかが紳士的な態度というものです。
私のフィガロは、「好きだからいじくる」パターンです。
ただ、いじくるといっても、奇抜なことをするわけではありません。
原作の設定に近づける、ということと、
ボーマルシェの続編「罪ある母」の前日譚として作る、ということ、
それだけです。
しかし、それだけのことをした結果、
あくまで結果的に奇抜になる場面も出ます。
それだけのことです。
例えば2幕フィナーレの冒頭ですが、
結果的に伯爵の怒り方が通常のものとはおよそかけ離れます。
根拠から先に述べますと、「罪ある母」で伯爵がこのように言うのです。
「夫人だけを愛していた。他の女は征服欲の対象でしかなかった。」と。
だから、夫人の浮気相手と思しき人物が、
ケルビーノという、自分と対等、いずれは爵位も上となる男とわかった途端、
怒るのではなく、壊れ、半狂乱になるのです。
今回の演出では、伯爵は足下さえ覚束なくなり、
床を這い、夫人に「出ていけ」と言いながらしがみついたり、
取り出したピストルを自分の体に向けたり、
という風に、まともとは思えない行動に出てもらいます。
一方、スザンナが自分のものにならないかも、くらいのことでは、
ただ怒り、嫉妬し、権力を振りかざして下手な策謀に出るだけのこと。
この「愛情」の違いをはっきり出そうと考えています。
型通りの芝居では出て来ない、人間の真実を、
お客様と共有できればな、というのが私の願いです。
一つ申し上げておきますが、
人間の愛情というものは、階級社会の中にあっては歪むのですよ。
今後は血筋ではなく、経済力による格差という形で、
新たな階級社会が出現することでしょう。
その時、やはり「フィガロの結婚」のようなことは
いくつも起こって行くと思うのですよ。
女性が結婚相手の条件として、
しかもかなり切実な条件として、
経済力を挙げるのは、まさにこの兆候です。
それも、最近は結構増えているんでしょう、専業主婦志願が?
人間が差別大好きな動物である以上、
この傾向が完全になくなることはあり得ないでしょうが、
悲惨な歴史を繰り返さないうちに、よくよく考えていきたいものです。