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数種類の香水を嗅いで10段階評価すると、iPadのアプリがその方に合った「サジェスチョン」を出してくれるーーー
そんなユニークな香水店に行って来ました。
ところはパリ。先日、ビョークのチームよりパリでのコンサートに招待いただいたとき、待ち時間を使って行って来たのです。
こんど仕事を一緒にする予定の嗅覚の専門家が連れていってくれました。
まずは自分のこれまでつけている香水、あるいは店頭で嗅げる香水3種類くらい、「好き・嫌い」の軸で10段階で評価し、iPad アプリに入力します。
すると、アプリが計算して、評価の高い香水の特徴に近いものを出してくれるのでしょうか、次の「サジェスチョン」を5種類出してくれます。
それぞれ嗅いで、また評価して入力。
すると次の候補を出してくれます。このように、エンドレスにいくことができます。
私の選択は、コレ。ペンハリゴンの最新の香水、Peoneve。
http://www.penhaligons.com/shop/collections/peoneve.html
イギリスの夏のガーデンの香りを描いた香水です。Peone とは、「牡丹(ぼたん)」のこと。
香りはさすがペンハリゴンで文句無しでしたが、パッケージが・・・もうちょっとペンハリゴンらしく、レトロでなデザインだったら、衝動買いしてたと思います (^^)
ペンハリゴンは、私が先日WSをしたシンガポールのレストランともコラボしている。何かのご縁を感じます。
実は最後、イタリアの Aqua de Palma とどちらにしようか、2択でかなり迷いました。そんなときは肌につけ、15分くらい香りの変化を見ます。そうすれば、トップ・ノートが消え、ミドル・ノートに移行するので、どちらが好きかがハッキリしてくるのです。
香水の選択にデータベースを役立てる。こんなのあったらいいのになあと、かねてから思っていたことを実現してくれたショップでした。多変量解析という統計学を応用していると思います。
実際は、出てきた香水はいまいち外れてるのが多かったりして、やはりコンピュータはコンピュータなのです。しかし、トータルでかれこれ15種類くらいの香水を嗅いだでしょうか、それだけ嗅げば、香水にウルサイ私でも、ひとつくらいはお気に入りの香水を見つけることができるというもの。
15種類のサジェスチョンを人間が出すか、コンピュータが出すかで、やはり客としての気軽さが違います。相手が人間だったら、「もっと嗅ぎたい」と言うのをためらうかもしれない。その人の選択を否定しているととられる可能性もあるから。
また、そこに真剣なコミュニケーションの努力を注ぐような時代でもない。古き良き時代は、じっくり一対一で、店側も相手のパーソナルな背景を理解した上で提案したりという、オートクチュール的な側面があったはず。
つまりNOSEは、現代風ニーズに応えたドライなシステムを構築したのでした。
NOSE のラインアップはペンハリゴンやクリードなどの本格派香水。価格帯でいうとだいたい1〜2万円くらい。空港の免税店に置いてあるような香水はありません。
これらの香水を嗅いでしまうと、免税店のいわゆる「シ○ネル」とか「デ○オール」などの大衆香水は、見劣りしてきます。やはりどうしても写真などの広告イメージで売る香水なのでしょう。