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昨晩はミューザ川崎で東京交響楽団の演奏会本番だったのですが、これが長男帰京後初の本番でした。
実は昨年11月30日に長男が誕生しまして、その長男が里帰り先から自宅に戻ってくるにあたり、母から「リハーサルはまだ良いけど、本番前夜は子供は奥さんに任せてアナタは耳栓して寝なさいよ」と忠告されていました。私はドイツで産まれましたからヨーロッパの慣習に倣い別室で寝かされていたらしいのですが、それでも夜泣きの影響で眠れず、父は本番前いつもピリピリしていたのだそうです。
まだ日本人演奏家に「留学」という選択肢すらほとんど無かった時代に、ドイツという異国でAランクオーケストラの首席奏者と道を切り開き、、さらに体調がもろに影響する金管楽器奏者だった父と日本でフリーのコントラバス奏者の私では環境が全く違いますから「何を大袈裟な」と大して気にしていませんでしたが、一昨日の夜はキツかった!
最近は生活のリズムを長男の就寝に合わせ、だいたい23時前後にはベッドに入り何度か授乳を経て午前7~8時に起床という、およそ演奏家とは思えぬ早寝早起きの規則正しい生活をしており、長男も夜は寝る時間が長くなってきていたところ。最近リハーサル前夜は夜の授乳を妻に任せ私は熟睡していたんですが、昨晩は妻に疲労のピークが来たようだったので私が起きてオムツを替えミルクをあげました。
と、ここまでは良かったのですが、いつもならゲップを出そうと背中を摩る間に眠りに落ちる長男が全く寝ない。それどころか、最近私を「帰宅すると遊んでくれる人」と認識したらしい長男はすっかりテンションが上がり、手足をバタつかせながらあ~う~喋りまくり。結局1時のミルクから2時半まで大苦戦。何度か寝息を確認してからベッドに置くのですが毎回気づかれ、その度にまた抱き上げて揺らして眠らす、そんな事が続き私の心が折れそうになったとき、妻が起きてきて代わってくれのですが、結局寝たり起きたり微妙な睡眠状態でゲネプロへ向かいました。
で、ゲネプロでは若干の眠気に襲われ集中力は皆無。
きっと寝不足なだけではなく、妻と2人だけの状態で始まった慣れない育児生活により緊張感も生まれ疲れも溜まってきていたのでしょう。「これが父の感じたキツさかあ~」と思いながらも何とか堪え、本番前はカフェでカフェインを大量摂取して眠気対策をとりました。
本番なんですが、それなりに緊張感は取り戻せるもので、どっぷりマーラーの世界には浸れたのですが、普段ならやらないようなミスも犯し、個人的な微妙なテンポ感のずれ、音程感覚の乱れに自分でも気づき、これから演奏会本番前は絶対に眠るようにしようと決意したのでした。
若い頃は徹夜で本番やっても何ともなかったのに、歳って怖いですねえ。