« 鈴木先生、人気ないですね…orz | Home | ぼんち和尚のバイト秘話 その2 »
2013/02/09
荷物がなくなり、身が軽くなった私はドンドン歩く。
前方に見晴らしの良さそうな高台を発見。
高い所は大好きだ。
長い階段を上がり、頂上に着くと素晴らしい景色が広がっていた。
運送屋があんなに小さく見える!あっ人が歩いてる!なんて浮かれてはしゃいでいると、後ろからゴホンっと咳払いが聞こえた。
振り返ると、そこにはダンディーなおじさんが立っていた。
景色に夢中で人がいる事に気が付かなかった。
私は顔を赤らめながら、慌てて挨拶をした。
『こんにちは。さっきから何度も声を掛けていたのだが・・よっぽどこの景色が気に入ったようだね。』
私は頷いた。
『素晴らしい場所だろう?私は子供の頃、この近所に住んでいてね。辛い事や悲しい事、嬉しい事があると、よくここでボッ〜としたものだよ。今はもう
遠くに引っ越してしまってね。今日は久しぶりに、このお気に入りの場所に来たのだよ。』
私はおじさんに何かあったのですか?と尋ねた。
『うむ、来月に娘が結婚するのだよ。嬉しいやら、寂しいやらで。』
おめでとうございますと私は伝えた。
『ありがとう。今度、娘と一緒にココに来ようと思っているんだ。家では照れくさくて言えないような事でも、ここでは言えそうな気がすんだよ。まっ、来てくれればの話なんだがね・・』
いえ!絶対に来てくれますよ!っというと、おじさんは照れくさそうに笑った。
2013/02/09 10:51 | hosokawa | No Comments