今日はタイトル通り、印象深いお客様のお話をちょこっとお話したいと思います。
今回は風俗でのお話です。
以前、台本持ち込みのお客様のお話はさせていただいたんですが、そのお客様が特別な
わけではなく、簡単なシチュエーションを希望される方はかなりの割合で存在します。
T様というお客様も、そのお一人。
このお客様は「どうしてもどうしても痴漢をしてみたい」という願望をお持ちの方で、
しかし良識ある大人だったので出来ない→風俗店に来た、というまともな方。
したがって、このお客様がお店、ならびに写真指名をくださったわたしに対して要求さ
れたことは、「電車で痴漢をされている雰囲気を出してほしい」というものでした。
さて、ここで1つ問題が。
別に痴漢行為を風俗店内で働くことは全く問題ないのですが、当時勤めていたお店は狭い
スペースの中にベッドがでーんと置いてある、といういたってシンプルかつ簡易的な作り
のお部屋。当然、つり革もなければベンチシートもありません。
……どうしたらいいんだ。つり革なんてないし電車を思わせるものは何もない……。
まあ座るところはベッドでいいとして、電車と言えばつり革なのに!とパニックになった
わたしに、店員さんはこともなげに「エアつり革してあげたら」とのたまいました。
エアつり革。
つまり、あるフリをしてあげればいい、と言う意味です。
でもちょっと待って。
わたしはただの風俗嬢で、そんな演劇めいたことは未経験。しかも長時間(60分)もそれ
をしろと…!? と思ったのですが、まあ、やればなんとかなるというか力技でなんとか
した感じでした。
結局、壁に寄り掛かるような感じで片手だけずっと挙げている、という動作でつり革感を
演出していたのですが、お客様はそれでも多少満足して頂けたご様子で、間をあけずご来
店くださるように。
……でもそのお客様が来る日は、必ず右手が筋肉痛になるというおまけが付きましたが^^;
このお客様に限らず、人に言えないような願望をお持ちのお客様はほんとうに沢山いらっ
しゃいます。その全てを叶えることは到底無理だと思いますが、それでも多少なりとも夢
を叶えられるよう、風俗嬢たちはこんな風に頑張ったりしている訳です。
それにしてもきっと間抜けな絵だったと思います。エアつり革。