« 荒神様の再生 | Home | 使える言葉を体得すること »
どうも。
びっくりするくらいのこの寒さ。
おぃおぃ、つい最近までネイバーフッドだった猛暑はどこへ?
さて、“自信過剰”という言葉がありますが、
意外と過剰なくらいがちょうどよかったり、
過剰だからこそ上手くいくこともある気がします。
もちろん、いつもの話ではありません。
普段は謙虚な姿勢が大切であり、
その謙虚さから厳しい練習の中でも自分を律することが出来ることもあります。
しかし、試合でベストを尽くすには、
自分のやってきたことをしっかりと(少しくらい過剰にでも)受け止めて、
自信につなげていく作業も必要かと思います。
言い換えると、本番前に過剰になれるくらい、
普段の練習では謙虚であるべきなのかもしれません。
「 野球部 最後の夏 〜自信火昇〜 」
夏が近づくにつれ、毎週のように練習試合が組まれるようになった。
私の母校は校庭が狭かったため、相手校を訪れることが多かった。
バスや地下鉄、歩きでの行き帰り。
特に試合後に歩いて学校に戻るのは体力的につらかったが、
勝利の後に、みんなでワイワイ帰る時間は楽しみのひとつだった。
そんな楽しみもありながら、
普段は自分にはもちろん、周りにも厳しい姿勢で、
小学校の部活とは思えないようなキツい練習の日々であった。
ミスを繰り返すと、先生だけでなく部員全員から厳しい言葉がとんだ。
ノック練習では「お願いします!」が聞こえないと、
打った瞬間に耳の横を通り過ぎているような速い打球が放たれた。
消極的なプレーをすると、その日次のチャンスは巡ってこなかった。
そのため、練習とはいえ緊張感は試合に引けを取らないものがあった。
そんな練習を毎日繰り返しながら週末に練習試合を行っていると、
夏の大会本番を迎える頃には、練習試合での連勝が15程に延びていた。
そして、夏本番。
中日新聞が主催する中日大会は小学校の部活動だけでなく、
地域の野球クラブも参加することが出来る名古屋の野球少年にとっては一番大きな大会だった。
練習試合では連勝を続けていたとはいえ、
初戦からの数試合は、自分たちの調子も出せず苦戦することもあった。
が、試合を重ねる毎に、気がついてしまった。
「自分たち、やっぱり強い。」
数試合後にはそんじょそこらの相手には負ける気がしなかった。
そして単純なガキんちょたちは、自信を持つことで更に勢いづいていった。
名古屋市の地区ブロック大会では強豪を破り優勝。
各ブロックで優勝したチームで争われる県大会も、
順調にベスト16まで勝ち進んだ。
第3回戦
松栄A(松栄小学校) 対 豊田虎(豊田市 少年野球クラブ)
ベスト8をかけた対戦相手は、
昨年の優勝クラブで今年も優勝候補の名高い名門クラブ“豊田虎”。
この頃には、部活動のチームはほとんどなく、
残っているのは地域のクラブチームばかりであった。
そんな中でも、私たちは自分たちの勝利を信じてやまなかった。
分析の“ぶ”の字も知らない小学生にとって、
相手が強いかどうかを知る判断材料は、
ピッチャーの球が速いかどうかと4番バッターがデカいかどうか、
そして監督のサングラスが似合っているかどうかくらいしかない。
だから相手が強いかどうかより、自分たちが強いかどうかしか気にしていなかった。
いや、それすらも気にせず、
「自分たちは強い。だから勝つ。」としか思っていなかった。
勢いづいてしまっているわんぱくボーズともなると、優勝候補なんてなんのその。
自分たちが強いことを証明出来るとワクワクするくらいだった。
そしてベスト8を賭けた豊田虎との1戦。
そこには12歳とは思えないドラマが待っていた。
とぅーびーこんてぃにゅー