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最近、猫とのコミュニケーションが困難になってきたように思うフィルコです。こんにちわ。じきに魔法が使えなくなるということか。
先週までの二週間弱、ワタクシ海外に行っとりまして。バカンスなら最高でしたが、アパッチのアウェイ戦にすら行けないワタクシにそんな甲斐性があるはずもなく、当然のごとく仕事です。
実は始めての海外だったんですが、いやまあ色んな刺激を受けて帰ってきましたよ。
渡航先はイスラエル。歴史が古かったり、いつも戦争してたり、技術が凄かったり、とにかくなんだか凄いらしいが、しかし具体的にどんな国か非常に想像しにくい国。
今日はそんな国でのお話。ただしバスケがらみ(笑)
■先生、、バスケが足りてます!!
滞在したのは、テルアビブに7日間、エルサレムに4日間
成田発、韓国は仁川(インチョン)経由で合計17時間のフライト。とくに事故もなく食っちゃ寝食っちゃ寝食っちゃ寝してるうち、ついにテルアビブ郊外のベングリオン空港に降り立つ。降りた瞬間、係員の兄ちゃんに「はいあなた、パスポート見せてください!」と止められたのは、たくさんの乗客の中で俺だけだったというのは内緒だ。怪しいオーラが出てることについては否定しない。
取引先の会社が手配してくれたタクシーに乗って空港をでると、国道沿いに立てられた自動車やら携帯やらの広告看板が目に入る。走行車線が右側なだけで、ほとんど東京と変わらない風景が広がる。
ただ一つ大きく違うことがあって、多くの広告で、商品を持ったりかっちょいいイメージショットだったりするのが、アイドルでも野球選手でも大村昆でもなく、バスケの選手なのだ。
私は大写しになった彼らのユニフォームを知っている。
名門「マッカビ・テルアビブ」
そう、ここテルアビブのホームチームで、ユーロリーグの超強豪「マッカビ・テルアビブ」だ。サッカーも強いから、欧州サッカーが好きな人は聞いた事あるかも。
前から確かに「イスラエルはバスケが人気」とは聞いていたけど、広告にバンバン登場するってことは本当なんだな~!と、べつに自分が何をされたわけじゃないのに、到着早々から嬉しいバスケ馬鹿。
しかし、この国でのバスケのポピュラーさを感じたのは、それだけに留まりません。
朝、何を食ってもうまいホテルの朝食を平らげたあと、部屋かロビーでテレビを見る。イスラエルの「めさましTV」的な番組のスポーツコーナーはいつもバスケがトップ。
毎朝部屋に届けられる新聞も、スポーツ面のトップはバスケ。国内のトップリーグと、ちょうどベスト16に差し掛かったユーロリーグの結果が華やかに報じられる。
シーズン真っ盛りだという事情を加味しても、
いやいや、なんとうらやましい環境でしょうか。
宿は地中海沿いの綺麗なホテル。夏には国内外からの観光客で賑わうらしいが、今はオフシーズン。早朝は地元のおっちゃんおばちゃんと散歩してました。ヘブライ語で挨拶をしたら、ニコーっとして「日本人か?」と聞かれたんで「そうだ。ここの食い物はうまいね!最高!」と答えた。なんだか気に入られたらしく、いろいろと教えてくれたけど1割ぐらいしか理解できずスマン、おばちゃん。
でもその中で、「バスケの屋外コートも近くに沢山あって、地元の子供がよく遊んでるから、時間があったら行ってみたらいい」ってのは理解できた。結局見つけられんかったけど、確かにボール持ってる少年少女はよく見かけた。日本の部活みたいに、ちゃんとそろいのジャージ着てたのが意外でしたね。
取引先の世話人にも、「俺、バスケが好きでさー」と言ったらいきなり盛り上がった。
世話人 「おお!この国ではバスケは一番成功してるスポーツだよ!今ユーロリーグでTOP16トーナメントやってるだろう?今年こそはマッカビ・テルアビブが優勝だ!なんてったって”Sofo”がいるからね!」
ワシ 「”Sofo”?、もしかしてギリシャ人のソフォクリス・スコーツァニーティスか!?俺2006年の世界選手権で、あいつがアメリカのドリームチームを負かした試合を会場で見てたんだぜ!」
→ そのときのブログ http://plaza.rakuten.co.jp/apacheboost/diary/200609010000/
世話人 「マジかッーーーー!!!、お前すげぇラッキーだな、あれテレビで見てたよ。あれは凄かった。歴史的な試合だったね。決勝はショボかったけど(笑)。しかしソフォって本名長すぎるよな。ユニフォームに字数が収まってねーもん(笑)」
ワシ 「同感(笑)」
仕事の相手とバスケの話題で盛り上がるって、日本じゃほとんどないからなー。バスケが生活の一部になっている感じがアチコチから感じられて、ほんと、いいなぁ。
■はたして、「バスケ」は世界共通語であった。
仕事柄、国内より欧州のほうが技術的に優れてる製品も多く、今回の渡航は取引先の製品についての技術習得と、マーケティングのための情報交換が主な目的でした。
なんで、いろんな国からエージェントが集まってきてまして、私の研修クラスも中国、台湾、リトアニア、ロシア、地元イスラエル、イギリス、日本とまあ、アチコチからご苦労さまです。
みんないいヤツばっかりで、初日からすごく打ち解けたんだけど、ここでもやはり話のきっかけを作ってくれたのはバスケでした。
ワシ 「俺バスケ好きでサー」
リトアニア 「おお!!サボニス知ってるかサボニス!?」
ワシ 「当たり前だコンチクショウ!ブレイザーズファンなめんなよ!あと、マーシャローニスにイルガウスカスも好きな選手だよ」
リトアニア 「お、おおお!!!だろ!だよな!彼らは英雄なんだ!リトアニア人はバスケが大好きなんだよ!」
中国1(メガネっ娘) 「ヤオ・ミンだってイー・ジャンリャンだって凄いんだから!知ってる?」
ワシ 「たりめーよ!CBAは南京ドラゴンズって強いんだよな!235センチのスン・ミンミンが日本でプレーしてたんだぜ!」
中国1(メガネっ娘) 「ミンミン?ごめんしらない。」
ワシ 「あ、そう。。ま、かわいいから許す~wwww」
イスラエル 「マッカビ・ハイファに、たしか日本から移籍してきた選手がいるぞ。」
ワシ 「ロドニー・ウェブでしょ!彼はいいヤツだよ~!あと、去年ハイファにいたジェレミー・タイラーって若い選手が、今季は俺が大好きな「東京アパッチ」っていうbjリーグのチームでプレーしてるよ。」
イスラエル 「ほぇー!そうなのか!なんか期待のホープ!ってニュースにはなってたけど、あんまり活躍してなかったなw。」
台湾 「お前、プレーはするのか?俺はカレッジまでプレーしてたんだ。今でもたまに遊びでやる。」
ワシ 「俺も大学まで。今は食いすぎでこんなに太ったけど(笑)、1ON1やるか?」
台湾 「よっしゃ来いや!」
ボールなしの1ON1開始 「ドカ、ドカ、ガッシャーーん!」
ダリアさん(取引先のお局) 「コラーーーー!!!アジア人落ち着けーーーー!!!」
ワシ・台湾 「スンマセンした!」
ロシア 「ふっ、くだらない(という雰囲気でこちらを見てる)」
ワシ 「お、なんだね。お前モスクワだったよな、CSKAだったパパルーカス知ってるか?もうベテランだけどあいつはアメージング過ぎだろう。俺の中ではマジック・ジョンソンと同格だ。」
ロシア 「へー、よく知ってるのな。JAZZのキリレンコは知ってる?日本人の選手は聞いたこと無いけどね。」
ワシ 「ほっとけ!TABUSEってのがサンズにちょっとだけいたワイ!いやキリレンコはスゲーよ。あいつクレバーだし、なんつってもオールスター選手だもんな。」
ロシア 「ほう、そんなに凄いかい? ボクと写真撮るかい?あ、でも真面目な顔をしろよ。」
ワシ 「真面目な顔。。それはわたしにとって非常にしばしば困難です。。。」
中国2(童顔男子) 「フィルコは”カワイイ”からダイジョウブ」
ワシ 「ちょwww ”カワイイ”ってww、お前に言われたくないーwww」
ロシア 「フィルコがカワイイだと?本気で言っているのか?」
と、まあこんな感じでわきあいあい。
気づいたら、日本でのブースター飲み会と同じことになってた(笑)。
「サッカーは世界共通語」
よく言われるが、これは本当だ。
サッカーアジアカップでの優勝の日、「ヤパニ(日本人)!優勝おめでとう!!」ってアチコチから言われた。取引先のモーゼみなたいな営業部長も「ヤパニ、勝ってくれてありがとう。私は、オーストラリアが嫌いなんだ」だって(笑)。
日本の優勝は新聞でも大きく取り上げられていて、これは凄いなぁ。(「ザッケローニが弱小日本を無敵チームに変えた」的な書き方にはカチンときたけど。)
レストランのボーイのバイトからも、
バイト「アジアカップ優勝おめでとう!お祝いにビール飲んでくれよ。ここの地ビールはうまいよ!」
ワシ 「いいね!!もちろん店のおごりだよな!?」
バイト 「・・・・それとこれとは別デス。」
ワシ 「別かよww!」
っとまあ、こんな感じで他国のバイトの兄ちゃんと、ボケツッコミ含めて話を弾ませることができる。コレが「世界共通語」の凄いとこ。そして今回の旅で、確かにバスケがサッカーに劣らぬ世界共通語として成り立っていることを実感したのでありました。
このコラムでも散々「バスケは世界共通語」と謳ってきましたが、実際に国外でそれを体感したことはなかったので、本当に貴重な体験となりました。
カタコトの英語でも、共通語が一つあるだけで人種、文化の違いを超えてすごく親近感を持てる。バスケに限らず、スポーツってコミュニケーションの手段として本当に素晴らしい力を持っている。
近代オリンピックって、もしかしてそういうことなのかも知れんなぁ。ほっとくとすぐバラバラになりそうな世界を、スポーツで一つにつなぎとめる大きなコミュニケーションの場。定期的にそれを確認しあうことで、利害関係だけじゃない世界的な人間-人間のつながりを保っていく。
そうだとしたら、オリンピックで自国のメダル数だけに躍起になるのは、ものすごく恥ずかしいことかもしれないね。
これが知れただけでも、すごくすごくいい旅になりました。
国際関係にイビツな問題を抱え、いつも緊張しているイスラエルという国。
ニシンの塩漬けと、鯖のスモークと、スズキの塩焼きと、ラファ(イスラエルのナン)と、ピタパンと、フレッシュチーズと、馬鹿でかいナスと、チキンフリッターと、色とりどりのサラダと、甘いナツメ椰子と、ピクルスが美味しい国。
「シャローム(こんにちわorバイバイ)」って挨拶がかわいい国。(女子の「シャロ~ム」ウインク付きはマジで惚れる。)
聖書や神話にでてくる地名が、普通に町内の名前だったりする国。
多様な人種が入り混じってるようで、実はあまり混ざらずに暮らしている国。
本当に沢山のことを勉強させていただきました。
殆ど雨がふらないというエルサレムと死海の砂漠に3日間大雨降らせて、停電とか洪水による道路封鎖とかしてゴメン!!
もうこれはしょうがないので諦めてください(笑)
うーん、、いろんな国に行ってみたくなってきた。
ま、バスケがあれば大丈夫っしょ。
ではシャローム!