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JunkStageをご覧の皆さん、こんにちは。
日本ではまだまだ暑さが続いておりますが、本日ご紹介するこのライターさんのお住まいのインドネシア共和国ではぎりぎり乾季の期間中。気温は同じように高いそうですが、それを感じさせないほどコラムからは爽やかな日常が感じられます。
今日ご紹介するのは、もはやここで取り上げる必要も個人的には感じられないくらい、JunkStageの看板ライターのお一人である、由佳さん。
日本国籍を持つ女性としては非常に珍しい経歴である「一夫多妻の本妻」として、2007年から今に至るまで約5年間もの間、ほぼ毎週の連載を続けてくださっています。
■ライターへの手紙。vol.13 一夫多妻の本妻・由佳さん
―私はその時、初めて『信頼』という言葉の重さを知り、
また、結婚に対しても「覚悟」をしたのでした。
「ぜったいに離婚はしない。この人を信頼し、一生添い遂げる」と。(由佳)
バリ島にて、日本人だけの一夫多妻ファミリーの本妻として生活中。島での生活や家族のことをお届け中。
http://www.junkstage.com/yuka/
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さて、読者の皆様は「一夫多妻の本妻」というとどんなイメージをお持ちでしょうか?
「なんかすごい人間関係がドロドロしていそう」とか、「いったい何でまたそんなことに……?」とか、それこそ火曜サスペンス劇場的な妄想を瞬時に繰り広げることができるのではないでしょうか。
実は。何をかくいう、わたし自身がそんな風に思っていました。
なので、当初由佳さんの参加が決まった際、「それコラムに書いちゃっていいの!?」と思ったりもしたのです。結果的には全く杞憂だったのですが、それぐらいこの肩書から受ける印象は強烈だったのです。
でも、コラムを読むにあたり、本当に一ミリもそんな心配をする必要はありません。
読んで頂ければ分かることなのですが、由佳さんのコラムには随所に「信頼」という言葉が出てきます。主に日本とバリを行き来する御主人に向けて、そしてご自身のお子さんを含む子供たちに向けて、第二夫人である「ゆっちゃん」や第三夫人である「あやかさん」へ向けて、また、お屋敷で働いている使用人の方々へ向けても。
それは由佳さんが御主人をはじめとする家族を大切に思い、その人間関係を維持していこうと考えているからこその、言葉ではないでしょうか。
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由佳さんはもともと、社労士として事務所を経営していたという経歴を持つ女性。
ご主人との結婚を機に退職し、キャリアを捨てて家庭に入ることを選んだ由佳さんですが、それでも当初は御主人の夢でもある「一夫多妻」に対しては、本妻として迎えられることに罪悪感があったそう。
「わたしは、二番目の方がわたしに対して抱く罪悪感がとても嫌でした。(中略)わたし自身も自分が本妻でなかったら出来ません。」
「(主人と)別れることは簡単です。でも、主人を愛しているし愛されているのに、離婚するのはおかしいと思うのです。それにみんな主人を愛していますから、みんなが幸せであればいいと思って生活しています。」
これは、JunkStageが初めて出したフリーペーパー(2008年)でのインタビューに対する回答ですが、原稿を担当したスタッフは由佳さんをはじめとする家族全員に「絶対的な信頼関係と満ち足りた愛情」を感じたと言います。
由佳さんは、このコラムでは、ご自身のことをこんなふうに称しています。
「もし、私が嫌な波動を出せば、それは家族全員に波及していずれ崩壊するかもしれません。ある意味、私はキーマンなのかなって思います。だからこそ、夫を信じて、ど~んと構えていればいいのですね。」
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「おかあさん」は人間関係の要でもあります。
だからこそ、由佳さんのコラムに描かれる方々はどこかほんのりと温かい。
それは、信じ難くとも確固たる信頼関係に根差した互いへの愛情が感じられるからこそ、ではないでしょうか。