« | Home | »

2012/07/30

いやータイトルに無理やり感が強く漂いますが、気にしないでゆきましょう!

NHSというと、どこかの国のプロスポーツのリーグの名前みたいですよね。

NHSの正式な名称は、「National Health Service」です。(国民保険サービス)

NHSがオリンピックの開会式に出てくるなんて。ちょっとびっくりです。

 

これは、同盟国のアメリカへのあてつけでしょうか?(笑)

かといって、アメリカは、その趣旨が通じる相手ではありませ。アメリカは基本的に病気に罹ることも自己責任で、皆保険制度は社会主義的と言う認識で忌み嫌われています。(理解に苦しみますが、本当にそうなんですよ。)

 

のっけから話が脱線しましたが、NHSは1948年からスタートしたイギリス自慢の国民皆保険制度です。日本では、1961年ですから、13年も早くスタートしたんですね。「揺りかごから墓場まで(from the cradle to the grave)」の一環です。日本と単純に比較することはできませんが、今も(様々な問題はあるにせよ)運営されている社会保障制度のひとつです。誰でも原則無料で医療が受けられます。旅行者だってOKなんですよ。日本では、保険証をもっていない人は、国籍を問わず(日本人であっても!)皆10割負担ですね。今日本では、保険証を持たない人が増えています。持たないというより、「持ちたくても持てない」と言うのが正しい。保険料を支払えないのが一番の理由ですが、その数は100万人に達しているようです。折角の国民皆保険制度なのに、空洞化しているといえる数値です。人道的見地からか、短期の保険証が発行されていたり、世帯別では子どもだけは短期保険証が発行されたりでなんとか、セーフティーネットとしての姿は維持していますが、今後も逼迫した財政難が続くことが予想されますから、金の切れ目が命の切れ目になることは間違いありません。実際、孤独死や早めに受診すれば助かる命が失われています。一方イギリスでは、NHSのおかげで、どんな人でも医療サービスを受けることができますので、本来の目的は維持されていると言えますね。ところで、何でも「例外」があるように、イギリスご自慢の制度から外れて独自で医療サービスを提供している病院もあります。これは10割負担です。でも、実際に存在し運営されていて、10割負担をしても受診したいという患者もいる訳です。流石に、「資本主義」の本家本元ですね。「金さえあればなんでもできる!」ということでしょうか。実際にどんな医療サービスを展開しているのかはわかりませんが、「カリスマ○○○医師」とかいるんでしょうかね。私は、無料の医療サービスで結構ですが(笑)

 

日本における国民皆保険制度は、今形骸化しつつあります。そもそも私たち日本人は皆で協力をして物事にあたるのが得意な国民性があります。秀でた人物を産みにくい反面、大きな問題も起こる可能性も小さく、また、災害が起こってもある程度のモラルが共有できているので、復興に集中できる下地があります。これは大変大きな強みでもありますし、そういう国民性を考えると、国民皆保険制度の更なる発展は、私たちの生活をより安心感があって継続性のあるものにする為にも必要不可欠です。オリンピックの開会式を見て、単なるパフォーマンスとして記憶するのではなく、世界にはまだまだ学ぶことがあるという視点で、次世代に有益な社会保障制度を充実させて行きたいと私は考えます。ただ、どうしても財源が必要になります。医療費が無料なら誰も文句は言わないでしょうが、重税では困りますよね。今、日本で社会保障制度を考える上で一番の問題は、「少子高齢化」です。要は、働く人が少なく税収が伸びないということがあります。そこで、開会式であったように日本もイギリスと同じように移民を受け入れるという時代に来ているのかもしれません。移民の方にお仕事してもらい納税してもらう。そういう時代に来ているということが社会全体で共有できず、政治も機能していませんから、そうなるときっと財政が破綻し、社会保障制度においては、「制度はあっても利用できない」なんてことになるのは必至です。

 

日本はどんな国を目指すのか一度きちんと話をした方が良い。

今のままでは、結局のところ、「あとは野となれ山となれ」になりそうで怖い。

私たちの日本です。しっかりと考えて行きたいものです。

2012/07/30 10:07 | hamamoto | No Comments