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2012/07/09
仕事でテントを張ってのロケをした。
周囲にはまだ残雪があり、朝晩は今でも気温が氷点下近くまで下がる大雪山。
もちろんこの時期もダウンジャケットとダウンの寝袋は必携だ。
朝4時30分。
辺りが次第に明るくなって来る頃、静まり返った空気の中で、この先へ連なる大雪山の稜線
の景色が美しかった。
大雪山の花の季節は本当に素晴らしい景色が広がっている。
連峰群特有の広い稜線にちりばめられた高山植物の世界は標高2000mの広大なお花畑。
チングルマ、イワウメ、ウルップソウ、コマクサ、ツガザクラ、タカネスミレ・・・。
これらの北方系の植物は下界にはない独特のスタイルを持ち、特殊な環境を生きている。
冬は気温が氷点下30度まで下がり、強風が吹きさらす極寒の世界。
そんな過酷な環境の中でしっかりと命を繋ぎ、毎年春には一面の花畑となることがなんだか
とても不思議に思えた。
でも、僕達が不思議に思う以前に彼らは太古からこの環境に順応して確実に命を繋いで
きたのだ。
わずか数十年しか生きていない自分の思索など、気の遠くなるような歳月の中にかき消さ
れてしまうだろう。
今年はそろそろ花の時期を終える。
来年はもっと視線を下げてゆっくりと観察してみたい。
そして、その美しさを写真で表現できればと。
2012/07/09 10:31 | yamada | No Comments