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こんにちは。タモンです。
大河ドラマ「平清盛」もいよいよ中盤ですね!
視聴率の面で苦戦しているようですが、タモンは相変わらず楽しく見ています。えーーっと、いろいろな面でツッコみどころ満載ですよ。だけど!!
……この前の○や、○○、もうちょっと前の○○○とかより、「平清盛」のほうがよっぽどマシだと思うのですが。タモンの意見は少数派かな…、と思ったりします。
ところで、世田谷パブリックシアターで、「薮原検校」を観劇しました。
井上ひさし作
野村萬斎=二代目薮原検校/秋山菜津子=お市/浅野和之=語り手の盲太夫/小日向文世=塙保己市/熊谷真実/山内圭哉/たかお鷹/大鷹明良/津田真澄/山﨑薫/千葉伸彦(ギター奏者)
栗山民也演出
野村萬斎ならではの軽妙洒脱な感じが、薮原検校の野心家っぷりとマッチしていて、予想以上に楽しめました。私は「国盗人」よりも、こちらの悪人ぶりのほうが好きです。
萬歳自身の身体にシャープさが増したのかな……。持ち味の茶目っ気たっぷりのユーモラスさに加えて、この舞台では怜悧な感じを彼の身体から感じました。
悪の限りをつくす薮原検校と、品性の限りをつくす(言い方変ですが)塙保己市という「社会的弱者」の存在によって、観客席にいる私たち自身の「悪」が浮かび上がってくる構図を狙ったのだろうと思います。
あと、語り手の盲太夫役の浅野和之ですね。
わたしは三階席で観ていたので、始めのほうでは聞き取りにくい部分があったのは事実です。だけど、それ以上に盲太夫の間合い、テンポで魅せられましたし、なによりも一人でこの舞台が目指す世界観を形作っていたところがあっぱれだと思います。
しばらくして盲太夫の語り口に入り込むことができました。劇場の大きさによって、全ての人にはっきり聞こえるように話さねばならない、語り手という役の困難さをひしひしと感じた次第です。
今回は簡潔に、こんな感じでしめたいと思います。