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こんにちは。根本齒科室の根本です。
更新が遅れてすみません。心身ともにそれどころではなかったんです。
じつは非常に恥ずかしいことに、通風(Gout)になってしまいました。
開業以来このかた、毎晩の晩酌が手放せなく、
しかも「記憶がなくならないと酒を飲んだ気がしない」という悪い癖があり
「○○を○合」などというチマイ行為では我慢ならない性分で『した』w
よって尿酸値も年々1づつ上がり、昨年などは10.6程度あったので、
いつ爆発してもおかしくない状態ではありました。
さすがに健康診断で先生に怒られてから、最近は晩酌を『2日に1度位』に
減らしたので、大丈夫だろうと思っていました。
先日、地元歯科医師会の会合があり、その席でビールを結構飲んでしまいました。
(やばい)途中であわてて芋焼酎に切り替えたけど、酒量自体はかなり行きました。
しかも「下っ端の特典」余った寿司を大量にパックに詰めて持ち帰りました。
さらに、翌日にも、つい油断して、缶酎杯を2リットルほど飲んぢまっただもんでorz
左足の親指が痛くて、真夜中に目が覚めました。
寝違えたのだろうか?親指の付け根は真っ赤、突き指の強烈版のような感じです。
左足の甲はパンパンに脹れ上がって、右足と比べると別の人の足のようでした。
どうも、突き指にしては状況証拠が不自然です。
先般しこたま呑んだ酒のことを思い出したら、尿酸値のことも気になります。
深夜なのにごそごそと、一応ネットで通風を検索して見てみました。
・・・悔しいぐらいにビンゴでした。
翌日が休診日で命拾いしました。
その後は何もしないのに痛すぎて痛すぎて、全く寝付けませんでした。
例えると、まるで、あたかも骨折の断面同士をゴリゴリこすり合わせているような
全くとんでもない激痛なのです。
無理やり寝ても、足の指が激痛で苦しむ夢を見て、すぐ目が覚めてしまいます。
ほとんど一睡もしないうちに、窓の外で雀がチュンチュン鳴き出しました。
(とりあえず職場にロキソニン(痛み止め)があるはずだ。背に腹は変えられない)
爽やかな朝日の中、一念発起して、歩2分の(はずの)医院に向かうことにしました。
しかし痛すぎて立てません。立つだけで指の血圧が上がり、指が爆発するような感じです。
這いずるようにバスタブにたどり着き、左足だけ5分ほど冷やしました。
ほとんど焼け石に水でしたが、さらに5分かかって、ようやく靴を履くことができました。
1歩左足を進めるごとに、この世の終わりのような強烈な痛みが全身を走ります。
脂汗をたらしながら這々の体で医院にたどり着いたときには、10分以上かかっていました。
時速1キロ以下ということになります。
這いつくばるようにしてロキソニンを2錠服用して、そのまま医局で伸びてしまいました。
痛すぎてゆらぐ意識の中で、ふと思いつきました
最近気をつけていたのに、なぜこんなことになったのだろう。
だいたい平均的に、飲む日と飲まない日を半々くらいにしていたので
大丈夫かなあと思っていたのですが。
それで、さる某スジの方から、ちょっと珍しいのですが、『光線治療器』
という、火花のスパークの光で治癒力を促進する機械をお借りする機会を得て
割合早めにある程度の緩解を見ました。
バチバチッ!! ブイ~ン!!
これもこれで、スパークとかすごい豪快なものなんですが、やってみた実感としては
「温熱療法」「遠赤ry」に近いような気がしました。
上の図で、「まだ火花」の状態で足をあぶっているのが、写真です。これで10~15分です。
理屈では、電極の炭素棒(これで儲けてるような気がガガガ)のスパークの色を微妙に変えて
その色のちがいによって対応臓器や疾患が異なる、ということのようです・・・
専門外なので、それ以上のことは分かりません。
最近やっと生き返り、何とかこうしてコラムを書く気力が戻ってきた次第です。
話を戻します。
そのときは痛過ぎてちょっと納得行かないし、休診日だし、いろいろ不満や疑問も尽きませんでした。
とくに、飲酒の件についてはちょっと複雑なものがありました。。。
そこでExcelで「1on1(二項係数ごっこ)」というのを作ってみました。
以下ルール。
スタート時点の点はゼロ。プレイヤーの人数は仮に10人とします。
1回経つごとに、確率5割でプラス1またはマイナス1の得点を与えます。
これを多数回くり返し、その得点の合計を見ていく。ただそれだけです。
数式は[=前項+2*ROUND(RAND(),0)-1]としました。
2*ROUND(RAND(),0)-1の部分は、1と-1を半々の確率で出す関数式。
グラフ化してビックリ!恐ろしいことになりました。
これは一見、確率50%でプラス1またはマイナス1の得点の累積なので理論上期待値ゼロ。
やればやるほどトントンで値はゼロに近づいていく気が何となくしますが。。。
とんでもない!
1000回、5000回と回数を重ねれば重ねるほど、どんどん乱高下しながら
ゼロから離れる方、離れる方に発散していくのです。
しかも恐ろしいことに、上の方に発散するとどんどん浮き上がっていく一方で、
下のほうに沈んでいくと、乱高下を重ねながらもどんどん沈む一方です。
全てではありませんが、ほとんどがそんな感じです。
とても期待値ゼロには見えません。
プレーヤー10人で行うと、ごく一部ゼロ近傍を行ったりきたりするものもあるものの
多くは、乱高下しながらまるで糸の切れたタコのように発散していきます。
ためしにに1000回で試行すると、一番上に浮いたものと一番下に沈んだものの差が
目分量で100を少し超えます。
ということは、ポイント数的には試行回数の1割程度の分散になりそうです。
試行回数100回なら10ポイント、1万回なら1000ポイント程度・・・
このゲームは乱数関数の rand() を使っているので、[F9]を連打したり
計算しなおしたりすると、次々に値やグラフも変わっていく感じです。
やや煩雑ですが、とりあえず3回試行したグラフのスクリーンショットを
実際にご覧いただければ分かると思います。
下のサムネイルをクリックすると別窓で開きます。
実際のExcelファイルはこちらです。右栗で落としてみてください。
グラフを見ると、何だか先物やデリバティブのような激しい”値”動きです。
そりゃAIJも失敗するというものです。
とても理論期待値ゼロの動きには見えません。
ここから分かる教訓は、1歩進むか1歩退くかの積み重ね程度のレベルでは、
他に何の制約もないのに、人によってはどんどん進み、人によってはどんどん落ちる
ということです。
これは、-1と0と1を3分の1づつ均等に出して(期待値ゼロ)も、大体同じような結果です。
・・・
「3歩進んで2歩下がる」
という歌詞の歌が昔ありましたね。ためしに同じことをやってみますね。
数式は[=前項+2*ROUND(RAND()*1.25,0)-1]です。
これは、「0が4割で2が6割出るようにしたもの」から1を引いているので
ランダムに「-1が4割で1が6割出る」形になります。
とりあえず3回試行したグラフのスクリーンショットをまた貼ります。
Excelファイルは先ほど(前掲)のファイルの別ワークシートになります。
・・・
ウン、これは(・∀・)イイ!
何度か[F9]を押していただければ分かるように、1000回試行後の値が
おおむね150~250になっていますね。
理論上の期待値が0.2なので、1000回後の予想平均値は200ですが、
分散の幅が約100なので、おおむね100~300の間に落ち着きます。
一番沈んでいる人でも一応安定してプラスで、取りこぼしは全くありません。
「3歩進んで2歩下がる」という歌は、同じ努力しても下に発散して沈んだ人が
上に浮かび上がるには、絶妙の按配なのかもしれない。
水前寺清子、隅に置けないですね。
たとえば、芸事を職業にしている人だと、「●日休むと▲▲」のような戒めをよく言う。
そこまでぎっちり行かなくても歯科の場合は全然構わないと思います。
ただ、今までどおりの、歯に気を使わない食習慣や生活習慣は、やはり
歯にマイナスの影響をおよぼします。
逆に、寝る前に、ちょっとすみずみまでみがいてみたり、甘いものを多めに食べた後は
1日3度以外のタイミングでも歯をみがいてみたり、キシリトールガムを多目にかんでみたり
そんな、歯にやさしい1日を送れば、当然ですが歯にプラスの影響を及ぼします。
こう考えると、なかなか自分では「歯にとってプラスマイナスゼロ」という
都合の良い一日を感じたり過ごしたりすることはむずかしいものがあります。
そこで、5日のうち3日以上とか、1週間なら4日以上(これだと理論期待値は1/7≒0.14)
は、歯にやさしい1日にしてあげてください。
くり返します。(hタグがあることを発見してしまった・・・)何事も、
『半々』で安心してると危険です。
【今回のまとめ】
『半々』は、本当は恐ろしい。確実なプラスの結果を期待するには、1回多く頑張るだけでよい。
*今回使用した単語「分散」は、統計学的なvariance V(X) の意味ではありません。