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2011/01/15

2011年に入り、寒い日が続き、屋久島の山々は白い雪に覆われ始め、風邪や感染性胃腸炎が流行っている今日この頃。しかし、ナントカは風邪ひかないってやつなのか、お陰様で私は相変わらず風邪もひかずにピンピンしております(笑)

さて、1月7日、屋久島では伝統行事が3つ重なります。

まずは「鬼火焚き」
これは他の地域でもいろんな名前で行われていると思うのですが、正月に飾った締め縄や門松などを各集落の広場で燃やすという行事で、これらを山の様に積み上げて、一番上には大きな凧みたいなものに鬼の絵を描いたものを飾り、火をつけて鬼を退治するという伝統行事です。これには地域の災害防止、無病息災を願う意味が込められているそうで、毎年必ず行われます。

結構大掛かりなセットとなっており、ガソリンを振りまいて燃やすのですが、鬼の絵には爆竹がセットしてあり、最後に「バチバチバチ」と大きな音をさせて鬼が燃えたところで完了となるものである。

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8年も屋久島に居ながら今年初めて見学したのですが、焚き火感覚で見に行ったもんだから、鬼に爆竹がセットされているとは知らず、かなりビビってしまった・・・・

しかし、地域らしい良い行事だなと感心。

2つ目は「七草祝い」

東京に住んでいる時は、3歳・5歳・7歳に祝われる「七五三」が普通だと思っていたのでうちの子供達も長女が数えの7歳、長男が数えの5歳のときに鹿児島の写真館で七五三の撮影をしたのですが、鹿児島では七五三は行われず、数えの7歳の年の1月7日に「七草祝い」を行うのが普通とのこと。

ちなみにこの七草祝い、着物などを子供に着せてお参りに行くところまでは七五三と一緒なのだが、ちょっと変わっているのが、お重を持って、親戚やら知り合いのところを6軒回り、五目寿司とお祝いをもらうということだ。ちなみに回った家にとっては厄払いになるということでとても喜ばれる行事である。
昔は五目寿司ではなく、七草粥を貰っていたそうなのだが時代が変わり、七草粥は手間がかかるので五目寿司に変わったそう。ちなみに回るのは6軒なのだが、七草にちなみ、自分の家を含めて7軒というのが正しいルールだそうです。
我が家は七五三をしているので色々迷ったのだが、とりあえず「おいで~」と言ってくれた親戚や知り合いのところに顔を出して五目寿司とお祝いを2軒ほど頂いてきました。ちなみに、翌日には友達に着物を借りて一応写真も撮らせて貰った。しかし、七草当日は島出身の子供達は保育園を休んで七草祝いをしていたが、移住してきた子供達は普通に登園していた。我が家の場合、旦那は屋久島出身で私は東京出身だから、子供の行事もどっちの感覚で行うべきなのが難しいところだが、やはり、屋久島ルールを採用すべきだったのかもしれないと少し後悔した。

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そして3つ目の行事は「祝いもうそう」である。

この行事が1番ビックリするのだが、地域の子供会(小中学生)が夜に民家やお店を一軒一軒回り、祝いもうそうの唄というのを玄関先で歌い、それに対してその家の人は子供達にはお菓子やお金を。同伴の大人にはお酒やおつまみを振舞って帰っていただくという行事なのである。

唄は「いーつもよりこーとしはー」という冒頭の歌詞は全地区共通の様なのだが、その先が地区によって違うらしい。
高齢化及び、高齢者世帯が多い屋久島ではとても喜ばしいというか微笑ましい伝統行事である。子供達が回り始める前には地区で放送がかかり、「これから育成会(子供会)の子供達が皆様のお宅に祝いもうそうに回りますので、お菓子やお金をご用意して出迎えてあげてください」と案内があるのだが、中には電気を消して居留守を使う家や、移住者は「うちは結構です」と門前払いをするお宅もあるそうです。

屋久島は小さい上に人口も少ない、アナログな島なのだからこそこういう伝統行事を大事にしてもらいたいし、全世帯に受け入れてもらいたいと思う今日この頃。

うちの長女も今年から子供会のメンバーに入り、私自身も親として参加する機会がでてきたのでたくさんの人に屋久島の伝統行事を受け入れてもらえるようにコラムを通して皆様に情報発信をできたら良いなと思っています。

今年も1年よろしくお願いいたします。皆様にとって素敵な年になりますように・・・・

2011/01/15 11:35 | hidaka | No Comments