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今週は少し気温が低い日が続きます。
今年は雪解けが遅かったため、道内の田植えは結構遅れたので一層の好天を望みたいものです。
さて、
セラピー活動で最初反応が悪かったお年寄りが急にいい表情になることに遭遇します。
ぜんぜん、乗り気でなかったのが20分くらい経過して急にニコニコとして機嫌がよくなうことはままあるものです。
感情の上で、お年よりは情緒の扉が硬い、つまり閾値が高いのではないでしょうか?
脳の刺激部分に刺激が行っても、平坦でなく、一定のレベルを超えないと扉が開かないと考えると考えやすいようです。
ですから、我々の会員もそのようなことを経験的に知っているので、当初邪険にされても上手に再度チャレンジして段々と刺激のレベルを高めて行き、ついに感情、情緒の扉を開かせる技術を持っているのです。
これは経験しないとわからないものです。
感情が開いて情緒が動けば認知症のかたは安心して、不安がなくなりたのしく時間を過ごせるようになるのです。
これが分かるまで、結構時間がかかりましたが、今では皆さん身に付けているようです。
アニマルセラピーの現場で、認知症の方が「子守唄」を歌いだす場面に出くわすことがあります。
子供をあやす様に、犬の頭や体を撫でながら子守唄を歌うのです。
最初の頃は、犬を警戒していたのに、犬がリラックスして危害が銜えられないと分かりだすと、子守唄を歌うケースが結構あります。女性ですが。
これは、記憶を呼び戻す行為のひとつでしょう。
記憶は、脳からなくなっているのでなく、取り込んで保存されたままあるのです。
何かをきっかけに、保存されていた記憶が開放されて「再生」されるのだと解釈される場合があります。
私は経験した者としてこのような説を支持します。
子守唄を歌う方の表情には認知症からくるこわばった、暗い表情が消えて、元の「母」の顔になっているのです。
セラピーでこの「再生」を起こさせるきっかけになるのであれば、大変すばらしいことだと思いますし、周りの方も非常に喜び、また感心し、安心するのであれば、セラピーの効果としてはこれ以上いいものはないでしょう。