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2012/06/09

私の住んでいる場所は東京駅からそう遠くない。

大阪の大学に通っていたとき、新幹線で夜の東京駅に着くと、車窓から見える大都会 東京は眩しく高層ビル群の窓からこぼれる光りがほっとさせてくれる瞬間だ。

大阪での楽しい生活から帰るとき、さびしい想いもあるが東京の夜景を見るとその想いは吹っ飛び、またいつもの生活に戻れるから不思議だ。それだけ東京の街の音や人の声が身体に染みついているのだろう。

私の住んでいる場所は東京駅からそんなに遠くないと冒頭で話したが、最寄りの駅からも徒歩1分という近さだ。防音された窓を開けるとすぐに電車の音が飛び込んでくる。電車のブレーキ音、発車ベルの音、走り出す音、そして今日は雨。

雨の音も重なり音だけを聴いていると、どこかの映画のワンシーンのようだ。家の中のもうひとつの窓を開けると、音が移動していくことがわかる。家の窓は外の風景を写しだす映写機のようでもあり、ステレオを幾つも置いたサラウンドのような音を感じさせる。一旦窓を閉めてしまうと音は少し聴こえるが何か詰まった小さい箱の中にいるようにも思える。私は外に出たくなったら、2つの窓を開けて自分を街の中の音に中和させるようにしている。人は何もない白い部屋にいるより小さな音でもいいから雑音があったほうがほっとするのだ。

2012/06/09 12:37 | shiho | No Comments