« 火山灰のお話 | Home | 木陰にハンモックあります。 »
京都は新緑真っ盛り。
もうすぐ梅雨の季節ですね。
私は、新緑と雫が重なるとき、緑が一番美しいと思います。
さて、今日はサポートハウスの予約にあたってのお話です。
現在、お部屋は満室ですが、たまに空室があります。
空室になれば、お問い合せがあればお部屋をお貸しすることになります。
でも、それでは旅館業になりますよね。旅館業は原則お部屋に空きがあれば、
宿泊を断っては、いけないことになっているんですよ。
—–
サポートハウスはファミリハウスやペアレンツハウスとも呼ばれています。
(初めて読まれる方は、初めての方は先ず此方へを先ずはご拝読ください)
マクドナルドハウスは有名なハウスのひとつです。
そのすべてのハウスは「空室がありますから、お貸ししますよ」と表面上は申し上げますが、
実は、総合的に判断して一番「困難な状況にある」と判断した方に優先的に、
お部屋を提供しているんですよ。
—–
困難度を測る事は難しいです。
ハウスの予約作業は言葉にすると簡単。
希望する日に、お部屋が空室があること。
複数利用希望者がいたら、どちらが、困難な状況なのか判断できる情報があること。
ただ、困難な状況とはなんですか?と尋ねられると、簡単には申し上げられないのです。
きっと、ハウスの運営をしている方は、「そんなことはオープンにしない方がいいのでは?」と、
仰られる方が多いのではないかと思います。
もちろん、私もオープンにしたことはありませんが、この機会に整理の意味も込めて、
どうやって、困難度を測っているのかをお話します。
—-
上から、電話を頂いたときに当方からお尋ねしている順番です。
*ご利用される期間
*誰が患者さんなのか。
*どういう病気なのか。
*どこから、京都に来られるのか。
*今回、京都大学病院や京都府立医大病院に入院する理由。(手術?検査?)
*付添いが長期に渡って必要なのか。
*誰が利用するのか(人数や性別)
*ハウスの利用者予定者の、日常生活における補助の有無(患者さんが滞在される場合もあるので)
ここまでは一般的な質問です。
あとはここからは、お話の中からおよその判断をつけながら、抱えている問題の大きさを測ります。
どんなことを確認しているのかというと
*経済的な問題の有無
*家族の協力の有無
*緊急性
*精神的な健康状態
などを、確認してゆきます。
下の4つは私がお話をしながらおよその判断をつけるのです。
かなりデリケートな問題なのであからさまに尋ねることができませんから、
色々な質問をしながら確認してゆくことにあります。
それは相手に応じて変わってきますので、文章化が難しい。
以上の点を総合的に判断するのに、多数のスタッフが関わっていては
話が前に進みませんので、私がハウスの受け入れ作業について、
すべての権限と窓口作業を一本化しています。
—–
困難度を測るとは、「より困難な状況にある人にお部屋を貸したい」と言うことになります。
ハウスの運営方針にもかかわることなので、多少の違いがありますが、根底にあるものはそう差はないと思います。
京都サポートハウスでは、「遠方で、長期の付き添いの支援が必要な患者さんが入院され、今後もその病院で長期に渡り、治療される見込みが高く、経済的な問題を抱え、家族の支援があまり期待できない人で、精神的に追い詰められているご様子の方」にお部屋を貸したいということになります。
この文章を読んだ人の中には、「お前は何様のつもりだ。部屋があれば貸せばいいじゃないか!」と仰る方もいるでしょう。
その通りだと思います。でも、多くの善意を集め、ハウスを運営している状況です。
ですから、困難な状況にある方にお部屋をお貸ししないと、その善意は小さなものになってしまいます。
善意を小さくしてしまうと、資金面での支援が必ず減ってまいります。そうなると安定的で継続的な運営ができなくなります。
空腹な人にご飯を食べてもらうべきであって、満腹の方にご飯をお出ししてもあまり喜んで頂けないでしょう。
それと一緒です。とても辛い作業ですが、避けて通ることができないものです。
—–
さて、上記の問題を一気に解決する方法があるんです。
問題の原因は、お部屋の数に限りがあるから。
お部屋がたくさんあって、誰にでもいつでもお貸しできる状況ならば、
こんな辛い選択をしなくても済みます。
お部屋を十分用意すること。
そのお部屋を利用する際の利用料金は無償。
そして、付き添いが不要になるまでは何日でも安心して利用が出来る。
そんなハウスを私は目指しているのです。
—–
私の自己紹介や、なぜ医療やサポートハウスのことを話しているのか?と感じた方は、
画面右横にある、「TOP(初めての方は此方へ」)をご覧下さい。