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2012/05/30
今日から暦は小満の末節、「麦秋至」(ばくしゅういたる)候となりました。
私の田でも、昨年の晩秋に播いた麦達が実りの時を迎え黄金色に輝いています。
お米の苗代の草を抜きつつ、その黄金色の穂先が風に揺れる様を眺めていると、気が遠くなるような良い気持ちになってしまう、お百姓になりたい、川口です。
今、お米は苗代で小さな命を育んでいる最中、間もなく田植えの時を迎えようとしています。
他方、そんな田植えの時期を前に収穫の時を迎えるのが麦です。麦はちょうど今頃に実りの時を迎え、お米に場所を受け渡すようにして朽ちてゆくのです。
麦は、晩秋に種を地に降ろされ翌夏前には実りを結んで滅んでゆく冬の草です。対して、お米(稲)は夏の間に育ち秋に実り朽ちてゆく夏の草なのです。
この両者の性質を上手に組み合わせて日本国内の暖かい地域ではお米と麦との「二毛作」が盛んに行われていました。
とはいえ、本来は麦と米という2つの作物が好む環境は正反対。 お米は湿り気の多い水田で良く育ちますが、麦は湿り気を嫌い水捌けの良い畑でないとよく育ちません。
我々のご先祖さま方は同じ田で上手にこの2つの正反対の作物の性質に応じた栽培方法を見出し、実践して来たのです。 それだけで、十二分に畏敬に値する、とわたくしは思います。
しかし、今ではお米と麦の二毛作はすっかり廃れてしまっていました。まことに勿体無いことだと思います。
収穫したての裸大麦入りの玄米飯の薫り高い美味しさに舌鼓を打ちつつ、来し方に想いを馳せる私、百姓見習い、です
2012/05/30 11:35 | kawaguchi | No Comments