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2012/05/09
オランダの話です。

息子がポケモンカードを整理するのに使っているゴムバンドがある。
それは太めのパスタのような、幅広ゴムバンド。

頑丈。長い。ラテックス素材で肌触りも滑らか。明らかにプロ仕様の高級ゴムバンド。
ちょっとしたことで切れたり、手の産毛が引っかかる、あの「輪ゴム」とは格が違う。

「どうしたの、それ?」
「道に落ちてるのを拾ってくるんだよ。」
「そんなにたくさん落ちてるの?」
「うん、郵便配達のおじさんが落として行くの」

どうやら、そのゴムバンドはストリートごとに郵便物を束ねるために使われているようで、
配り終えたら配達のおじさん、
不要になったゴムバンドをポトンと落として行くのだそうだ。

「えー? ゴミはのポイ捨てはいけないんじゃないの?」
「ゴミじゃないよ。みんなのために落としていってくれるんだよ。」

うーんなるほど。そういうことなのか。

実際おじさん達、子ども達のために「わざと」落としていくのだそうだ。
本来なら、回収して、郵便局でリサイクルするべきものだろう。
そこを、「気づかずに落としちゃった」振りをしてくれるのだ。

街には、目に見えないところで、こんなささやかな「愛」が巡り巡っている。
それを見つけられるかどうかは、感性によるのだな。

そして息子も大きくなったらきっと、自ら「愛」を振りまいてくれることだろう。
2012/05/09 03:36 | maki | No Comments