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2012/04/11

お彼岸も過ぎ桜も咲いて、春爛漫の風情となりましたが皆様お変わりなくお過ごしでしょうか?久し振りの雨休みで、漸くPCに向かっております。お百姓を志望しての田舎暮らしもいつの間にか5年目を迎えた、川口です。

第弐会、籾摺り完了時点で更新停止しておりました「秘伝の味噌作り」、漸く第参回、「糀を仕込む」編、その一です。
我が家の味噌の仕込みは幸い終了しておりますが、秘伝(笑)の開示が遅れておりまして申し訳ありません。まぁ、誰も真似しないだろうからいいか…?

さて、そもそも、「糀・麹(こうじ)」とは蒸した穀物原料(米、麦、豆など)にコウジカビ菌を繁殖させたもの」をいいます。東アジア一帯に拡がる伝統的な発酵食料加工法に用いられている、と謂われておりますが、日本でお米を原料としてこの「コウジカビ菌を繁殖させたもの」は特に糀(こうじ)と表記されます。

日本酒、米味噌などが、「糀」を利用した代表的な食品になりますね。初回にご紹介しました通り、わたくしが仕込んでいるのは、大豆にこの米糀を加えた米味噌です。

それでは早速、わたくしがその「糀」を仕込む過程をご紹介しましょう。

先ず、先回用意した籾摺りした玄米を浸水します。冬の寒い間でしたら一晩以上はじっくりと水に浸けてタップリと給水させます。

蒸し鍋を火に掛けて湯気が立ってきたら玄米をいれた蒸篭(せいろ)を載せて蒸します。お米がしっかり芯まで軟らかくなるまでじっくりと蒸しあげます。

この際に市販の玄米をそのまま使おうとしますとなかなか蒸し上がりませんが、我が家の玄米は前回ご紹介した通りに擂鉢で擦った際に傷が入って分搗きになっていますので、そのお蔭で比較的容易に軟らかく蒸し上がります。

この蒸し米がひと肌くらいに冷めるのを待って、種糀を混ぜ込みます。

現代の「麹作り」では、プロアマ問わず工業的に純粋培養されたコウジカビ菌の胞子を購入して降り掛ける作り方が一般的になっています。

しかし、貧乏なわたくしには、そのような胞子を購入する余裕もなく(笑)、自分で飼い育てている菌を使っています。

そもそも、コウジカビ菌は自然界のどこにでも存在している「常住菌」なので、そのような天然資源をお金で買う、という行為そのものが、「お百姓」を目指すわたくしにはそぐわなく感じられるのであります。

コウジカビ菌を飼う方法方は実は簡単で、折々に、蒸したお米を餌として与えて継続培養するのです。「友麹」と呼ばれる昔ながらのやりかたです。

ちなみに、

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BA%B9
別途培養した麹菌胞子である種麹を蒸した原料に散布して製造する方法と、以前に製造した麹の中から良質なものを保存しておき、新たに麹を製造する際に蒸米に加えて用いる方法がある。後者の方法を「共麹」(「友麹」とも)と呼ぶ。現在の日本では、もっぱら前者の方法が採用されており、麹を製造する際には種麹を専門に製造する業者が供給する種麹を利用する場合が多い。野外のカビにはカビ毒を作るものがあるため、専門の業者が供給する種麹を利用することが望ましい。

という事ですから、「百姓」は目指さない良い子の皆さんは真似をしないように(笑)!!!

普段、掛け継いでいる種麹は折々に甘酒に加工して利用しています。甘酒についてはいずれ書かせて戴くこともあるでしょう。

種糀を混ぜ込んだ蒸米を容器に移し入れ、30℃程度に保温して麹菌の繁殖を促します。

プロの世界では、麹室(こうじむろ)といわれる(室温30℃湿度約90%)専用部屋を使います。

冬の家庭では炬燵やオーブンの保温機能などを使う事が一般的な様です。

さて、では、わたくしはどうしているのでしょうか???

と、唐突に質問を投げた所で今日はここまで。

雨が上がりましたので、ちょっと出掛けてまいります。お百姓は忙しいのです(笑)

それではまた!!!

2012/04/11 04:50 | kawaguchi | No Comments