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ネイルを習う人、ネイリストとして働く人、さらに講師としてプロ養成に携わる人。
「ネイルに関わる人=ネイリスト」にも形態はさまざまです。
今回は一括りにされがちなネイリストを細分化してお話しようと思います。
(注:あくまで私の見解に基づきます)
まず、ネイルを習う人。学生さんですね。
ご存知かと思いますが、私のコラムで多く取り上げられている対象の方々です。
働く形態が柔軟に選択できる仕事なので、色んな方がいます。
① 学校卒業後のお仕事として始めようと考える20代前半(または20歳前後)の方
② 子育てがひと段落、専業主婦から卒業してあらたなお仕事を始めたい30代の方
③ お仕事でキャリアを積みつつも将来を見据え転職を考えての20代後半~の方
④ まれに、趣味プラスアルファのプチ収入があればと考える主婦の方
私が接するなかで、もっとも真面目に意欲的にお勉強熱心に感じられるのは③の学生さんです。
社会経験を積まれていることもあり、物事に取り組む姿勢が出来ているようです。
社会で仕事をすることの厳しさもご存知なので、一層熱心にお勉強なさることが多いです。
①の学生さんは、とても差が出やすいようです。
まだまだ若く楽しい誘惑もいっぱい、人生は果てしなく続くように思う楽観的な「若さ時計」のせいかどうか
(その時代を過ぎてしまったアラフォーにはうらやましい限りなのですが)
優先順位がたびたび変わってしまうようで…。
検定を控えた模擬試験などで不合格が言い渡されて初めて焦りだす、という感じです。
しかしそこは若さとパワーでしょうか。
本気になった彼女達の改進にはしばしば驚かされます。
もともとネイルが好きで、センスや目も肥えていることが多いぶん、
本気モードになればあっという間に上達してしまいます。
②と④の方は、ご家庭の事情が最優先であるせいかご本人の希望ではなく状況で左右されることが多いようです。
また、プロ養成のカリキュラムの複雑さ厳しさを知り「そこまで深く携わりたいわけではない」と判断されることもしばしばあります。
現在ではサロンで主流のジェルネイルを専門とするジェルネイリストに、活動の幅を絞る方も少なくありません。
さて、ネイリストとして働く人、です。
たぶんこの層がもっとも幅広く多岐に渡ります。
講師との兼業も多く境界線もはっきりしないでしょう。
それでも講師層とは比較にならないくらい、幅広くネイル業界のメイン層を占めています。
先ほどの「ジェルネイリスト」なるジェルネイル専門のネイリストもいます。
プロネイリストは、お客さまにネイルサービスをするのが仕事なのはいわずもがな。
しかしプロといえども、その技術の差も幅広くあるのが事実です。
いわゆる上手な人、下手な人、です。
その見極めをいくつか挙げてみましょう。
・仕上がりが満足いくものかどうか
・周囲の反応はどうか
・2週間以上、保てるかどうか
以上の3点がおおまかな基準かと思われます。
お金を払って時間を使っても、仕上がったネイルを見ればニコニコ出来るかどうか。
きれいだね!と周りの人たちが誉めてくれることがあるかどうか。
2週間くらいは何のストレスもなくそのままの指先が保たれているかどうか。
簡単なようですが、これらを満たす技術を出来るネイリストなら、たぶん「上手な人」に入るでしょう。
この「上手な人」はあくまで一般的なお客さん目線です。
私たちプロ同士の「上手な人」はまた別次元のお話になります。
こちらはマニアックなお話になっていくので、また別の機会に譲ります。
最後の「もち」に関しては、色々な要因があり一概にネイリストの技術だけでは判断できませんが普通基本的には、ということです。
年齢層も幅広いですが、はやり主軸は20代30代です。
細かい仕事がらの集中力と視力の点からも、年齢的な限界はどうしてもあるようです。
意外に思われるかもしれませんが、体力も必要です。
集中しての作業は思いのほか体力も使いますし、フットサービスなどでは足腰にもかなりきつい労働になります。
(力を抜いた人間の足って重いんです)
アート的センスも必要ですし、お客様とのコミュニケーションのため話術や気遣いも求められます。
トータルバランスの良い年齢となると、やはり経験を積んだ30歳前後がベストなのかもしれません。
また、現役で年齢と経験を重ねているということは、やはりネイル全般におけるセンスがあるということではないでしょうか。
日々の技術向上への研鑽もあると思います。
そうしたネイリストは、常に忙しそうですし(お客さんが離れていかないので)講師の兼業も始めるかもしれません。
現場においても任されるポジションにあり、後輩の育成にも力が入ります。
そうなると益々自身の技術や知識に磨きがかかり、いわば「のっている」状態です。
トップネイリスト、カリスマネイリストとはこの層にあるのはないでしょうか。
さて、最後は講師ネイリストです。
前出のトップネイリストが講師の場合は、講師の名にふさわしいとても優れた講師です。
一般では「講師」ときくと「エキスパート」と思われるかもしれません。
実際そうであることが多いのですが、残念ながらそうでないことがあるのも事実です。
特に技術を扱う世界においては、あっては困る残念なこともあります。
講師の名にかまけ、技術と知識の更新を怠ってしまった場合です。
講師が相手にするのはこれから習う「素人さん」です。
ここが重要。
素人さんからすれば、どんなに下手でも講師は講師。上手に見えます。
講師の言うことは正しいと思います。
呼ばれる呼び名は「せんせい」。
自分のレベルを正す機会がないと、あっという間に裸の王様状態です。
この、講師が陥ってしまう罠。
私も恥ずかしながらこのトラップに引っかかってしまう寸前まで堕ちた経験があります。ですから、なおさらこの罠には敏感ですし、罠にかかった講師にも敏感です。
この罠にかからず、もしくは罠を罠と認識し潜り抜けた者が本当の講師と名乗れるのはないかと思っています(妙な手前味噌ですが)。
この件に関しても、次の機会に詳しく取り上げることにしようと思います。
講師の年齢層も幅広く、20代から上は60代近い方(私の知る現役と思われる範囲で)。
日本ネイリスト協会が認定する、認定講師という制度があるためです。
実際には講師業を行っていないとしても、この資格を持っていれば講師と名乗れるからです。
反対に、この認定講師資格を持っていなくても講師業の実業は務まります。
最近では難しいのですが、以前は割りと多いことでした。
実質さえ伴えばOKだったのです。
問題視される傾向が顕著になり、徐々に資格取得と実質の充足がイコールになってきましたが
かつては現場において講師の認識ががあいまいだった時代がありました。そう昔のことではありません。
ネイル技術と教える技術は別、とも考える人が少なからずいることも事実ですが、両方を兼ね備える必要性が現在では求められています。
どの世界もそうかもしれませんが、長く続けるということは独りよがりでは出来ないことで
周囲の評価も必要です。
そして何より、続けられる意思の強さ。
それをクリアできれば、本当にネイルは柔軟に人生の長いスパンで活かせるお仕事なのだと実感しています。