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2011/01/25

年明け以来、日々、大根、蕪、白菜を食べ続けている、川口@百姓希望、です。

田舎でよく聞くと想われている台詞の一つに、

「毎日毎日、○×ばかり食べさせられて、もう飽きた、見たくもない。」

というのがあります。

今頃ですと、大根や白菜でしょうか?夏ですと、胡瓜やトマト、ピーマン、辺りでしょうか・・・。

食料品店に並ぶ多様な商品やテレビの料理番組で使われる食材類を見ていると、世界各地からの様々な珍しい食材を豊富に使って料理して食卓に載せることが贅沢というものなのである、と信じるようになります。旬の食材、などと言われても、年中同じラインアップの野菜が並べられているスーパーで買い物をしている内に、旬など判らなくなってしまっているのが現代消費社会の人々の実態でしょう。

その結果、そういう人たちの視点からは、田舎の食卓は毎日同じような食材ばかりらしいではないか、それでは単調で耐えられない、飽きてしまうだろう、と思われるようになるのでしょう。

私もこの百姓暮らしを始めた頃には、毎日同じ食材ばかりでは淋しい、飽きてしまう、と思っていましたし、実際に、足繁く自転車で往復1時間近くをかけてまでショッピングセンターまでお買い物に通っていたものでした。が、実際には同じものばかっり食べていても全く飽きることはなかったのであります。

ちなみに、上記の通り、この一ヶ月以上の間、毎度毎度の食事で口にしている野菜(畑に生えている作物)は、大根、蕪、白菜ばかりです。

でも、全く飽きる、という事はありません。それどころか、いくら食べても足りない程に、毎日、毎食が美味しいのです。

時にはほうれん草や春菊、葱などの葉物、保存してある南瓜やお芋、そしてお豆類もローテーションで食卓に加わりますし、更には、春先から秋にかけて保存食として加工しておいた食材類も登場してくれます。干したわらびやぜんまい、筍などの山菜類、栗、銀杏、茸などなど、とても食べきれない程の種類の副食材があるのです。

況してや、稀にではありますが、お肉やお魚が手に入る事もありますし、時には到来物の食材も加わるのですから、中軸打線(もしくは先発投手陣・笑?)こそは大根、蕪、白菜たちに任せ続けてはいても、料理のバリエーションには将に限りが無いのであります。

はるばる買い物に出掛けて食材を購入することなど無くとも、日々の食卓は十二分に豊かで、まず、「飽きる」という事態はあり得ません。

更に、この寒の時期には、これらの主軸の野菜をより一層美味しく食べる方法があり、これをしているといくらあっても足りない、という状況になってきます。

それが、お漬物。

単純に塩漬けにする白菜、高菜、大根や蕪の葉、蕪の千枚漬け、干し大根を米糠に漬けた沢庵漬け、唐辛子や果物を加えたキムチなど、実に、実に旨いものです。

都会で手に入る漬物の多くは、「野菜を様々な調味料(添加物)を混ぜ合わせた汁に漬けたもの」、に過ぎず、正直、余り美味しいものではありません。が、田舎の自家製のお漬物は、「乳酸菌や酢酸菌を初めとするそこで暮らしている多様な微生物が野菜の栄養成分を様々な旨み成分に作り換えてくれたもの」を戴くものであり、その美味しさは将に筆舌に尽くせないものです。
# 最近は田舎でも市販の漬物の元などを使ってしまう事も増えている様子なのが残念ですが・・・。

だから、どんなに沢山の大根や白菜であっても、余程の事が無い限り、余る、とか、見飽きる、なんて事、有り得ません。

百姓暮らしを始めて3年、そのとき、そこに在る物だけで作る料理こそが、そこで生きるものにとっては最も美味しい食べ物なのだ!、という確信が日々、一食毎に強くなってゆく、幸せな(能天気な?)今日この頃です。

2011/01/25 01:32 | kawaguchi | No Comments