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こんにちは。根本齒科室の根本です。
もうそろそろ、ウチでは院内新聞の締め切りの季節がやってまいります。
当歯科室では季節ごと、3ヶ月に1度、ささやかな院内新聞を発行しています。
作ったものは、定期健診のご案内に同封したり、待合室に置いて
来院者の方にご自由にお持ちいただいたりしています。
最初は、定期健診のご案内のときに、それだけではつまらないということで
3ヶ月に1度くらいなら大した負担ではないだろう、ということで
気楽に始めてしまいました。
これが、結構大変です。
しかも、次の締め切りが3月末なのに、まだできていません。。。
院内新聞、一番の関門が、スタッフの検閲です。
憲法21条2項にも「これをしてはならない」と明確に定められているにもかかわらず
まったく守られていません。
「この熟語むずかしい~~」
「[忸怩たる][敷衍][遡及][畢竟][縷説]わかんな~~いwwww」
(うそだろー)とか思いつつ、いちいち簡単な単語に置き換えたりします。
もしかしたら小学生や中学生が読むかもしれないからです。
他にも、ついつい「~における」とか書いてしまうところを「~の」
などと簡略化します。
【ニュース解説】
まず、ネタを探すのがかったるいです。
(どうせ報道しない自由が好きなマスゴミのことだから、ウソばっかだろうし)
掲載スペースはA42枚で4ページなので、とりあえずスペースを埋める意味メインで
「歯」に関連あるニュースをぐぐります。
歯関連で微妙にほのぼの系のニュースを2つ~3つ拾ったら、
コピペした文章を(中略)(中略)で縮め、後にコメントを入れていきます。
これで1ページ~1ページ半をつぶします。
ここまでほとんど他力本願です。
しかし、自力本願のコーナーもあり、なかなか厄介です。
【ガチ?ヤオ?】
ご案内のとおり、ニュースレターは、定期顧客を育成するマーケティングツールとして
広く知られています。
しかも、最近は 優良 有料のネタ帳もネットで多く売られています。
また、「手書きが良い」とか「スタッフが書くと良い」ということもよく知られていて
時々そういう本を目にします。
しかしそんなもの、うちのスタッフが協力してくれるワケもなく、面倒なので、
イラストレーターで全部PDFにして作ってしまいます。
定期健診の案内に同封しているので、読者層はおそらく老若男女と幅広いでしょう。
「気の弱いネトウヨ」の地が出ないように、また文体が は むずかしくならないように
思想信条の幅を超えて受け入れられるように気をつけながら書いています。
なので、いろいろあって、言いたいことの半分も言えてません。
…いやむしろ、この辺に抑えておいた方が安全なことはいうまでもありません。
とはいえ、震災直後の菅直人元首相と民主党政権の体たらくは
直後の号で徹底的に批判しましたが何か。
ネタ帳の購入も考えましたが、結局、書き手のクセがある程度伝わらないと、
思いもなかなか伝わらない部分はあると思います。
また、それを見て面白いといって定期検診に積極的に応じてくれるような方は
多分私と考え方が近いので、そういう”顧客”の方が”接遇”も 楽 スムースです。
むしろ、院内新聞を見て「何これ?だっせー」とか言っている人だと、
話が合わないかもしれません。それはそれでやりづらいです。
なので、一種のナチュラルセグメンテーションだと思って結局自前で書いています。
私の場合、一旦筆が滑り出すと止まらなくなってしまうという悪い癖があるので
削って推敲して、削って推敲してをくり返すのが一苦労です。
(JunkStageは基本的にそういうことがないので、逆に楽です)
以下、具体的に各コーナーを紹介していきます。
【レストラン紹介】
一応建前上は、患者様やスタッフから教えていただいたお店に食べに行って
あーだったこーだった、などと書くコーナーです。
実際に患者様から教えていただくこともありますが、歯科の治療中は
口を開けっ放しで、ほとんどお話ができません。
面倒くさいので自分の知っている店に勝手に行って
コーナーを埋めてしまうことも何回かありました。
しかし、期待したその店がつぶれたりしていて驚かされたりすることも多く
ズルや悪事はなかなかできないものです・・・デフレ恐るべし
企画の意図としては、若い女性の患者様にいろいろお店を聞ければ
密会に使えるようなこっそり系のお店が集まるのでは、などと思っていたのですが、
そのまえに、佐貫にはあまり若い女性の患者様は訪れていませんでしw。
「元・若い女性の患者様」は、たいてい良妻賢母の料理上手であるので、
それらしいネタは案外出てきません。
最初の頃は、匠神角ふじ(柏)⇒大勝軒(柏西口)⇒リバーサイド(我孫子)⇒
などと、ネタに詰まり、期せずして大食い系に流れてしまい困っていました。
さらにその後なんと!こともあろうに
「やよい食堂(野田市)行ったことあるよ」
という方が出てきてしまい、(嗚呼、そ、それだけはご勘弁・・・)
思わず世を儚んでしまったこともありました。
さすがにあそこはおひとり様で逝くところではないでしょう。
そこは反則技で、適当に自分の知っている店でごまかしました。
【書籍紹介】
一応建前上は、読んで面白かった本を紹介して、書評を書くことになっています。
しかし、残念なことに、私の読書量は非常に少なめです。
いつも毎朝、三橋ブログに目を通して、帰ってくると公速(はむそく)のRSSに目を通して
ついでにYahooのヘッドラインを見ておしまい、な、究極の手抜き情報空間です。
専門書以外の情報収集は、面倒なのでたいていこんな感じでネットで済ませてしまい
苦しくなってくると、CD紹介とかつべマル朴とか数々の反則技が飛び出します。
一番ひどかったのは先月号で、本が見つからず、アート・テイタムのDVDで
済ませてしまいました。
普段から読書をしないのだから、見つからないのも当たり前です。
しかもそのDVDすら買ったものではなく、すべてYouTubeで見ただけです。。。
あ、もっとひどいのがありました。
何回か前ですが、やはり本が見つからず、当時ネット上で話題になっていた
「ショックドクトリン(ナオミ・クライン)」の、なんと
読 ん で な い 洋 書 の 紹 介 という暴挙に出たこともありました。
「お前それちゃんと読んだんだろうなあ」と聞こえてくる前に開き直ってます。
内容は、それこそ中野剛志先生らがいつもニコニコ動画などで語っていますので
それを劣化コピー焼きなおして適当にスペースを埋めてしまいました。
良心の呵責もかなりありましたが「和訳だけがないのでも有名な本」だったので、
(TPPと増税を推し進める罪務省・害務省←電通←CIAの陰謀にちがいない。伝えないと!)
と義憤に駆られたことにして、情報をお伝えしたことにしました。。。
じつは洋書自体は、アマゾンでちゃんと買いました(ホントだよ。信じろよ)。
尼損にしてはやけに重々しい荷物が届き、若干嫌な予感がしましたが開封してみました。
驚くことに、現物は厚さが4センチくらいあるすげーペーパーバックでしたよ。
第一章に、たしかにカトリーナがどうのこうので、バウチャースクールがとか
書いてあったのは覚えていますが、あれは今どこに行ったんだろう・・・
その後、和訳がちゃんと出ました。厚さ3センチくらいのハードカバー上下巻です。
和訳ですらきちんと読める気がしないのに、英語のペーパーバックなんか無理無理。
【健康法】
散歩、ジム通いなど、いろいろな方がいろいろなことを実践していると思います。
その中で、手軽そうなものを患者様から教えていただいて紹介するというのが建前です。
実際に患者様から教えていただくこともありますが、歯科の治療中は
口を開けっ放しで、ほとんどお話ができません。(2回目)
やはり、コンビニに行ってタ○ザンからぱちってきたり、いろいろします。
しかしそれもなかなか続かず、すぐに開店休業になってしまったのがコレでした。
そういえば私は、先月ですが大腸ポリープを取るので一泊入院したことがありました。
そのときに、院内掃除をお願いしているシルバー人材センターの方が
「先生、暇だったらコレ読んでみてくださいよ」
と貸してくれたのが、スクワット健康法の本でした。
「新スクワット健康法(野沢秀雄 講談社)」
80代の高齢者でも十分可能だし、健康法としてはよさそうな の で す が 、
♪~スクワット すればお腹が すくわっと
♪~お色気の 元になるのが スクワット
など、明らかに読者を愚弄してやまないような川柳が、これでもかと出てきます。
一応入院中の暇つぶしにはなりましたが。
一泊入院でも、入院中は最初にいきなり点滴をつながれて自由を拘束されてしまいます。
(あれは、いわば刑務所で言うところの「手錠」みたいなモンなんすね・・・)
どうせ付いてるのはソリタとか水のようなものなんですが・・・
勝手に点滴フックからパックを外してコートの胸ポケットに入れて、外で一服とかしてたら
肝心の腕の方が内出血してしまいました。腕の中でサーフローが暴れまわってて。。。
今回はもう時間が無いので、これ(お腹がすくわっと)にします。健康法は久々だなあ・・・
【歯科マメ知識・Q&A】
これが意外と無いんです。
私が話したいことは結構あるのですが、一般的な患者様のお考えや感覚と
あまりにも乖離してしまって、驚かれて終わりになってしまうことも多く
つくづく、短い文章で考えを伝えるのは難しいなあと思っています。
また、一般の方が質問しそうなことはほぼ限定されてしまっていることが分かっています。
たいてい自分が昔やられた治療についてです。
そして、歯医者選びの方法の質問です。
それでなくても、最近はステマ(ステルスマーケティング)ステマと五月蝿く、
インプラントの質問に答えるふりをして自慢、とかが大変やりにくくなっています。
【レシピ】
最初は調子に乗って、簡単なものをいくつか書いていましたが、すぐに
「クックパッド」というホームページを発見してしまい、最近は
そんなコーナーがあったことすら誰も気がつかない状態です。
【編集後記】
最後のページで、紙面の4分の1を潰してくれる、まことにありがたいコーナーです。
毎回ですが、粗雑な編集と陳腐な内容を反省しながら書いています。
一応、優等生的にまとめてその回の内容の総括をする、趣旨なのですが
たいしたことはぜんぜん書いていません。
以上、院内新聞のおおまかな部分のお話をしました。
編集方法ですが、イラストレーター(CS2)を用いています。
第一号のときには他の歯科医院の院内新聞をいくつか真似して
雛形を作りました。
あとはたいてい枠を連結してテキスト流し込みで作ってしまいます。
イラストレーターと、ダイナフォントは、今後使う機会が多いだろうと
開業時に奮発して購入しました。
これは大正解でした。
3つ折りチラシとか、ポスターとか、ファザードや看板にいたるまで
イラストレーターとダイナフォントは大活躍です。
ウチのはA4を2枚と、学級新聞以下の、非常にちゃちなものですが、
それでも紙面の割り振りとか見出しとか、編集行為の真似は知的刺激になります。
最近は年を取ったせいか、3ヶ月があっという間に感じられてイケませんが
備忘録の一環として、何とか続けていきたいと思っています。
こんな備忘録に毛が生えたような院内新聞を、細々と続けているのも、
歯科は医科と逆で「自然治癒なし」「予防回避あり」だからかもしれません。
痛くないときの継続的な取り組みこそ大事なんでしょうね。
次回はもう少し硬め路線に戻れればと思います。
【今回のまとめ】
院内新聞は情報発信と備忘録の意味があるが、ステマもやりにくく字数制限も厳しい。