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2月は、暇なような、それでいて忙しいような、
そんなふわふわした状態の中で、気が付けば過ぎていった。
たぶん、その大きな理由の一つは、
4月以降の自分の行く先が決まっていなかったこと。
博士課程に進むことが、半ば既定路線のようになってはいたけれど、
ウチの研究科は内部進学ができず、全員が一般入試を受ける必要があった。
ペーパーテストで基準点に満たなければ機械的に落とされる。
大学院なんて縁故の世界かと思いきや、そこらへんは至極ドライである。
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さて。
実は、博士課程進学の他に、もう一つ、来年の選択肢が浮上していた。
きっかけは、以下の求人を目にしたことだった。
ブータン政府観光局 求人情報
http://www.travel-to-bhutan.jp/archives/765
「ブータンで1年間働ける」
この2年間、ブータンに関わってきた人間にとっては、
この上も無く魅力的な、このオファー。
あまりに拙い語学力、そして、観光業未経験、という点を踏まえれば、
受かる確率は限りなく低いことは目に見えていた。
ただ。
異文化下で働く、という経験は実に得難い。
一応、一部上場企業でマネジメントの経験も僅かばかり積んでいたので、
まるっきりド素人というわけでも…たぶん無い。
ブータン研究をしてきたので、ブータンに関する知識も…それなりにある。
観光という、言わば「ブータン」そのものをコンテンツとみなした場合に、
どのようなビジネスが展開できるのか、その可能性にも食指が動いた。
1年間という期限付きなところも、実際のところ、かなり惹かれた。
研究活動を再開するとして、そこで培った人脈等は大きな財産になる。
早速、担当教授にご相談したところ、
「チャレンジしてみよ」との有難いお言葉。
肚は決まった。
というわけで、せっせと応募書類をこしらえて、果報を待つ。
実は、同時並行で上記の入試が進んでいたので、割とてんやわんや。
…
待つこと1週間。
大変残念ながら、不採用の通知をいただいた。
が、同時に、少しばかりホッとしたのもまた事実。
冷静に考えれば、自らは得るものがあまりにも多く、
が、しかし、ブータン側に与えられるものがあまりにも未知数。
ちょっと欲をかきすぎた。
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というわけで、無事、博士課程の合格通知を手にして、今日に至る。
逃した魚は大きいが、自分に足りないものを見つめ直すきっかけにはなった。
一にも二にも、英語力は身に付けておいて損無し。
実は、博士課程の入試も英語で、当落線ギリギリだった、ことは内緒だ。
来夏は、本格的に語学留学検討しよう…