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『リア充の陰謀・第28話』
教習所の待合室に入り、俺は彼女の隣に腰を下ろした。
彼女もこちらに気付き、互いに挨拶を交わした。
前に会ったときから数週間が経過していた。
もうとっくに卒業していると思ったのだが・・・
そう思って聞いてみると、仕事でたまにしか来られなかったのだという
(サービス業でシフト制なので、土日も出勤のときが多いらしい)
まさか卒検の日が同じになるとは思わなかった・・・・・・
俺は昼の休憩のとき一緒に食事をしないかと頑張って誘ってみた。
あくまで話の流れの中で自然な感じを装って。
するといいよーという答えが返ってきた。
よっしゃー!!
と俺は心の中でガッツポーズを決め、検定に臨んだ。
検定試験受験者の全員が試験を受け終わったのは、昼前だった。
待合室で座りながら待っていると、教官から数名のひとが名前を呼ばれた。
彼女もその中に含まれていた。
俺は名前を呼ばれていない。
試験終わって待合室で待っている時、彼女は試験でミスったと話していた。
一方の自分は大きなミスはしていないはずだと思っていた。
ひょっとして彼女は・・・落ちた???
彼女はなかなか帰ってこない。やっと帰ってきたら彼女は「落ちちゃった・・・」と言った。
それから彼女はこう言った。「お昼一緒にいけなくなっちゃった」
「あ、ああ・・・・・・」
と俺は頷く。
そして彼女は、事務手続き(次の予約)とか取らないといけないからといい、俺に背を向け
出口のある受付カウンターの方に向かって足早に歩いて行った。
俺は去っていく彼女の背中を見送っていた。
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壊れやすい願いだけ なぜこんなにあるんだろう
(中略)
いつだって本当は 求めつづけていた
心ごと休める場所 つつまれたくて
(元ネタ:機動新世紀ガンダムX)(youtube)