今回は、ラッパの奏法について書かせていただきますね。
これまで、「唇」と「指」について説明させていただいたのですが、今回は「息」についてです。
唇で発生させた音を、管の中で共鳴させ、さらに指でピストンを押さえたり押さえなかったりして音階を変える。これが、ざっくりとしたトランペットで音楽を奏でるメカニズムです(ざっくりしすぎだけど…)。
といいつつ、もっと大事な要素がもうひとつあるわけなんですよ。それが「息」です。
唇を振るわせる原動力は「息」であり、音階を変えるのにも「息」をコントロールする必要があります。
音色、音階、音程、すべてにおいて、問題なのは「息」。音に心がこもるかどうか、も、「息」次第(心がなければだめですが…)。
ところで。
人に「ラッパをやっているんですよ」と言うと、まれに「へー、ヒップホップやってるんですねー」と言われ、「そうですyoーyo-。…。それはラップや〜」というのり突っ込みをすることがありますが、それはそれとして、「へー、肺活量、多いんでしょ?」と言われることが多いんですね。
ところが、肺活量が多いかどうかは、よく分かりません…(タバコも吸ってますし…)。
若い頃、師匠が言っていました。
「タンクの大きさよりも、ポンプの強さが問題なんだよ。いくらタンクが大きくても、その中身を押し出す力が小さかったら意味がない。タンクが小さくても、ポンプに力があれば良い音が出る」
タンク=肺、ポンプ=腹筋 を意味しています。
厳密にいうと、ポンプは横隔膜なんですが、横隔膜を動かすのは腹筋なわけで…。
師匠は、もっと分かりやすい説明もしてくれました。
「例えば、授業中に(って、社会人になっていたころに聞いた話ですけれど…)ヒソヒソ話をしようと思ったとき、小さい声で『おーた!』と言っても聞こえない。そんなとき、声は小さくても息を入れて『おーたっ!!』と言うだろ? つまり、小さい音で吹くときでも、エアを勢いよく送ってやらなきゃ。そうすることで、音は伝わる」
あれ? なんか分かりにくくなっちゃいました?…
いや、分かりやすいですよね…。
音量に関係なく、息を勢いよく送る、これが音色を豊かにするためにとても重要なんです。
音量は、息の量でコントロール。音色は息のスピードでコントロール。
う〜ん、ぼく、よく分かってるなー。
しかし、よく分かってるのに、なんでヘボなんだろ…。
「言うは易く行うは難し」が、服着て歩いてるようなもんですよ…。
さて、次に、奏法について書かせていただくときには、音程を変えることとエアの関係について書かせていただきたいと思っています。
が…。この話は説明するのが難しいな…。すぐには書けないと思います…。
そんなこんなで、ぼくは今日もラッパを吹いて暮らしています。