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節分が過ぎ、あいかわらず寒い日が続いていますが馬産地、北海道日高(南西海岸沿い)では出産、そして交配(種付け)のシーズンになりました。
以前は3月から4月に出産するケースが多かったのですが、近年では1月から2月に出産を迎えるケースも増えてきたように思えます。これは産まれてきた仔馬でいえば遅く産まれた仔馬よりも早い成長が見込め、母馬(繁殖牝馬といいます)でいえば種付けシーズンが長くなる分、1回目の種付けで不受胎となってしまっても、次の種付けチャンスがやってくるからだと思います。
年間で日本国内だけで約8000~9000頭のサラブレッド(競走馬、競馬馬)が誕生します。また、この地域以外での生産地は他に青森県、千葉県、群馬県、南九州地方などでもが行われています。しかしこれらは全体から見れば微々たるものです。
当然ですが、競走馬が誕生するためには、父馬(種牡馬)と繁殖牝馬を種付けさせなければなりません。生産者たちは、この母馬の血統を吟味し、配合する種牡馬を慎重に決定します。種付け料は種牡馬の実績によって大きく異なります。実績の少ない種牡馬だと数10万円程度ですが、実績の優れた種牡馬ともなると種付け料は1000万円を超えます。
ちなみに、ディープインパクト(2002~)の父サンデーサイレンス(1986~2002)の種付け料は、2500万円以上といわれていました。
『競馬はブラッドスポーツである』こんな言葉を聞いたことはありませんか?サラブレッドの血統と能力は密接な関係があると考えられています。
馬主(馬の所有者、オーナー)が血統を意識して競走馬を購入することはもちろん、一般の競馬ファンが予想(距離、適正)を行う際にも、血統をその要因に含めます。また引退した後、競走馬の余生において、いかなる血統構成をしているかが大きく影響します。あまり良くない競走成績(未出走、未勝利など)であっても、競走成績や繁殖の実績に優れた馬の兄弟など近親であるというだけで種牡馬や繁殖牝馬として優遇されることが多々あります。また、そのような馬が実際に優れた繁殖成績を挙げることもしばしばあります。
こうして種付けされた繁殖牝馬は、そのうちの約80%が受胎し、翌年2月~6月あたりに子どもを産みます。こうして、一頭のサラブレッドが誕生するのです。馬の妊娠期間は約11か月です。
母馬は仔馬が産まれたら、羊水などで濡れた仔馬の身体を丁寧になめてやります。これは血液循環がよくなって仔馬はより吸収がしやすくなるからです。とても重要なのですがこの際に、人がタオル(布)で身体を拭いてあげてはいけないということです。仔馬が母馬からミルクを飲むまで仔馬には触ってはいけないのです。また拭くときは他の馬(母馬以外)の臭いがついた物は使ってはならないのです。
親子のきずなも次第に生まれてきます。生まれてしばらくすると、仔馬は自分で立ち上がろうとします。何度か立ち上がれず尻餅つきます。(牧童の僕らはただ『頑張れ!頑張れっ!』と応援し祈るだけです…神様)
そして立ち上がった仔馬は、母馬の乳首を探します。野生の状態では、草食動物の子どもはよく敵から狙われます。襲われないように本能的に立とうし、生まれたばかりの子どもでも、すぐに群れについていく必要があるからです。馬や牧場にもよりますが親離れをする2歳ごろになるまで、仔馬は母親とずっと一緒に行動します。
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◆今回の画像は「競走馬生産牧場(有)長谷川牧場」さまからお借りしました。