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冬のロサンゼルスと言えるような気候になったものの、先週は30℃まで上昇。タンスにしまいこんだ夏服をひとつピックアップして、久しぶりに夏の格好をしました。
そして今週末は雨。雨。ひたすら雨。1年にそう何日と降らないロサンゼルスの雨期ですが、この1週間のうちに旅行に来る人は気の毒ですね。
仕事も一段落。先週末は、以前から仕事内容の紹介でよく書いていたスター・ウォーズのレイア姫で有名なキャリー・フィッシャーの自演トーク番組「Wishful Drinking」がHBOチャンネルで放送されました。
ホントは前宣伝したかったんだけど、あっと言う間に日にちが過ぎてしまって。
日本でも同じだと思うけど、ドラマや映画、ドキュメンタリーなんかの映像作品は、映像を撮ってから放送に至るまでの期間が往々にして長い場合が多かったりする。
数ヶ月前このコラムにも書かせてもらった、エミー賞を受賞した「The Last Beekeeper」なんかは、フィルムがスタジオに届いてから、音楽を完全Lock(つまりは最終仕上げ)するまで、わずか3週間しかなかったものもあるけど、大体の作品は通常、土台を作って、アレンジして、レコーディングして、ミキシングして、クリーニングして、というようなゲッソリする作業が音楽班にもあるから、2、3ヶ月は要するものだったりする。
私はこのゲッソリ過程(課程?)の第一段階、いっちばん最初のメロディを作る段階の人間なので、レコーディングが終わると、あとは音楽全体のバランスを整えてくれるエンジニアさんや、映像と音楽をマッチアップしてくれるエディターさんにバトンタッチするついでに、そのフィルムともサヨナラする(つまりは私が制作上、用無しになる)場合がほとんどである。
だから、今回もしかり、この「Wishful Drinking」の放送予定なぞ、放送日の前々日にたまたまスタジオで耳にしたから知っていたものの、あわよくば、完全に自分の中でも過去形になるところだったです。
ちなみに、トレイラーはこんな感じでした。
Wishful Drinking
さて、ちょいと落ち着いたところで。
来週末はいよいよフィギュアスケートの全日本選手権。
まぁ、真央ちゃんの今の調子は誰も知る由もないのだから、当日本番で、その成果を見届けるしかないのだけど。気になるのは、最近まことしやかに囁かれている「かな子ちゃんの異常なまでのアゲアゲ報道」から来る、「世代交代」、「新旧交代」、「高い点数」などなど。
ま、フィギュアスケートはスポーツと言えど、野球選手やサッカー選手と同じで、所属事務所やスポンサー等の沢山の人間が絡んでいるわけだから、商業的にも、誰をアゲて利益を増やしていく思惑、なんてものはよくあること。
4年前のオリンピックの時は、メディアは右も左も安藤美姫一色だったし、ソルトレイク五輪の時は恩田さんをいち早くオリンピック代表にしたものの、前者も後者も五輪の結果は15位と17位。彼女たちは何も悪くないけれど、彼女達よりも良い成績を取ったのは、ギリギリのところで代表権を取って、光の当たらないところで努力してきた村主さんと荒川さんんだった。
村主さんはフィギュア選手ではめずらしく、長年コンスタントに好成績をキープしてきた「重鎮」だけど、荒川さんに至っては、ちょうど今の真央ちゃんの年齢の時期にフィギュアの表舞台から「消えた」時間があった。
フィギュアスケートの選手は、トップクラスの選手でも時として「消える」ことがある。日本でも有名なイリーナ・スルツカヤも代表選から漏れたこともあるし、こと、ロシア選手は体型の変化や精神面でのバランスに不均衡が生じる場合が多いのか、一時期消える場合が多い。でも、優秀な選手はスルツカヤのようにカムバックする。
今、ロシアのジュニア選手は恐ろしいほど高度なテクニックを習得して、次回の地元開催であるソチオリンピックに標準を合せるべく育てられている。もう、そりゃ、見てビックリするような感じ。このまま育っちゃうと、キム・ユナのセクシー路線をもってしても敵わない感じ。
一方で、今現在日本のメディアがアゲアゲしている村上佳菜l子選手は3T−3T(トゥループというジャンプのコンビネーション)を得意としていて、唯一の武器でもあるのだけど、このコンビは連続3回転のジャンプの中では一番簡単、と言われている。そして、彼女は真央ちゃん同様、トリプルアクセルを除いて、一番難しい、難易度が高い、と言われているルッツというジャンプが飛べない。(本人は飛んではいるけど、ジャンプ踏み切り時のエッジがエラーになるから、毎回減点)
ロシアのジュニアっ子たちは、ここら辺を恐ろしいほどカバーし、技術的にはかな子ちゃんよりも数倍難しいジャンプ構成をしている。ルッツなんて完璧に飛ぶし、おまけにコンビネーションくっつけて連続3回転にしちゃうし、最近見た感じでは、ジャンプだけではなく、スケーティングもそこそこキレイになっているから、更にコワい。そんでもって、トリプルアクセルまで練習している子もいるから、ああどうなるのやら。w
しかし、先ほど述べたように、こと、ロシアの選手は成長期に一回「消えちゃう」のである。そりゃそうだ。14歳の時と16〜18歳の時じゃまるで体型も変わるし、むしろ一緒の子なんていない。昨日まで飛べてたジャンプが飛べなくなったり、柔らかかった体が身長の伸びと比例して堅くなってしまったり、その影響で怪我をしたり、ロシアの選手だけでなく、これはどこの国の選手にも言えることでしょう。その「消えちゃう」時期が、果たしてオリンピックシーズンに当たっちゃうのか、はたまた奇跡の「消えないで活躍」する選手が出て来るのか。
でも、腐ってもフィギュア大国ロシア。女子選手は唯一オリンピックで金メダルが無いわけだから、ロシアの連盟が今躍起になって選手を育てているのも無理はないし、彼女達を、バンクーバーの時のチーム・ユナと同じように国全体でケアしていくのは間違いない。
今年はあのスマイルと本人も驚くくらいの高得点で、世界選手権でも台乗り、とまでメディアが騒いでいるかな子ちゃんだけど、果たしてどこまでいけるのやら。
もちろん、日本人選手として応援するけれど、どんなにメディアが騒ごうとも、やはり真央ちゃんは、私が見る限り別格なのですよ。
どうなるのか、全日本。遠いところからだけど、選手達を応援してます。
あ、会場内で前回宣伝した楽譜「メロディ・オン・アイス」売ってます。観戦に行かれる方は、是非そちらにも目を通して下さると嬉しいです!