« | Home | »

2012/01/30

今年から茶道教室に通い始めた。
木漏れ日が射し込み、ほんのりと照らされたイグサが薫る。

僕と年頃同じくらいの方々と時間を楽しむ、
楽しむ中に様々な想い、その時の刹那さ、その時の儚さ、
静寂(しじま)に身体を委ね、その瞬間を嗜む。

この年になってもまだまだ解らない現実、
間違えて記憶している現実がある。
抹茶にしてもそう、一概に「苦い」という表現を使うが、
本来、「茶」は「あまい」ものであり、それが「うまみ」と成る。

人はまず頭で考えてしまう、誰かに聞いたその情報がいつの間にか、
その人の中で記憶され、記録される。

我欲は自分に都合のいい事ばかりを吸収していく、
この我欲を捨て去る為にも、自分自身と向き合う時間は大切である。

食品商品研究の場によく伺う。
消費者が今、何を求めているかを的確に研究し味に落とし込む。
しかし広告として伝える際に、その味についての説明が不十分と感じる。
コマーシャルにおいてはタレントという商品と製品を組み合わせる。
そんなこんないいながら、もう生まれる前からそうした戦術に動かされ
商品購買をしている。確かに多様性かつユニークさも大事だと思うけど、
本当はこうなんだよという真実を知らずして、当たり前のように中毒になる。

食べ物は身体と同化して吸収される、
犬は食べ物と同化しないと感じると吐き出す、
パンダは笹の葉以外を吸収すると病気になる、
人間だけが考えて食事をすることができる。

奇型の野菜が近頃よく発見される、
それを新種と学者は云うが、
物言わぬ素材、語ることのない素材、
素材の声が聞こえる人たち、こよなく農業を愛する人、
古来日本が育んできた食材の調理法を知る御爺ちゃんや御婆ちゃん、
またその先祖代々へ、誰がこの現況を予測したであろうか。

外食産業が新たに活性化し始めている。
リストラされたサラリーマンが一念発起したからって、
焼き鳥屋を始めて成功すると思いこんでいる、
どこかのコンサルティングだかの言葉を鵜呑みにし、
結果、ほとんどが失敗する。

何でも簡単に準備できるからって、
あまくないんだよね、飲食の仕事って。

2012/01/30 01:32 | nishikawa | No Comments