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2011/12/21

「ジャグリングとは」と言われたとき、ジャグリングをはじめたての人はまだジャグリングというものがどういうものかわかってないので説明できないし、
ジャグリングに深く関わった人になると、あまりにも説明することが多すぎてまとめきれません。

僕も、「ジャグリングとは」ということを書こうとした事が何度もありますが、
書いたところで読まれることもないであろう事から、今まで書く機会がありませんでした。

せっかくJunk Stageという、読み物を書くという機会をいただけたので、「ジャグリングとは」について書こうと思います。
ただ、あまり本格的に書いてしまうとJunk Stage編集部の方から
「ジャグリングを知らない人も読んでいるんですからね!!」とつっこまれてしまいそうですし、
この記事を読んでいるジャグリング仲間から「あれ? ●●について書かれていないけれど?」
というつっこみも受けそうな気がしますので、今回書くものはあくまで「簡易版」とさせてください、と言い訳をしておきます(笑)

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ジャグリングに入る前に、下記の「状態」について定義をしておきます。

■「安定した状態」と「不安定な状態」
状態1) 安定した状態 : 演技者が意識しなくてもその状態をずっと続けられていられる状態。(床に道具が置いてある、全ての道具を手に保持している等。)
状態2) 不安定な状態 : 状態1)ではない状態。(失敗する可能性が0ではない状態。)

この「不安定な状態」がジャグリングです。
また、
・「安定した状態」から「不安定な状態」になる
・「不安定な状態」を続ける
・「不安定な状態」から、より失敗する可能性の高い別の「不安定な状態」になる
という行為を「技(トリック)」と呼びます。

「失敗」とは、演技者が”意図せず”道具が「安定した状態」になってしまうことです。
道具を落とす場合などが該当しますが、
手元が狂うなどして、空中に投げているボールを全て回収してしまう場合なども失敗の一種です。
因みに”意図して”「安定した状態」に戻すことは、一般的には「フィニッシュ」と呼ばれ、いわゆる拍手のタイミングになります。

「技」の難易度が高ければ「失敗」のリスクは高くなります。

■ジャグリングと認知されるものの種類

まず、大分類として「常に不安定な状態である」ものと、「安定した状態と不安定な状態が繰り返されるもの」があります。
イメージがしやすいように日本の伝統的なジャグリングでたとえれば、前者に「お手玉」、後者に「剣玉」が分類されます。

お手玉が、常にボールを空中に投げ続けなければならず、常に「不安定な状態」であるのに対し、
剣玉は、一つ一つの動作が「技」であり、技を決めた後、皿の上や剣の中にボールがある「安定した」状態に戻ります。

○常に不安定な状態であるもの
 ・トス(投げる) 手に持った道具を空中(※1)に投げ、落ちてくる前に別の物を投げることにより、常に空中に何かしらある状態を保ち続ける。(ボール、クラブ、リング、バウンスボール) 
 ・スピン(回す) 手に持った何かしらの補助道具を使うなどし、メインとなる道具の回転状態や、空中にある状態を保ち続ける。(ディアボロ、ジターリング、独楽、デビルスティック、皿回し、スピニングボール)
 ・バランス 重心を動かさないことが難しい状態や体勢で、道具が止まったり回転したりしている状態を保ち続ける。(シガーボックス、コンタクトジャグリング、クラブ)
 ・スイング(振る) 手に道具を持った状態のままで道具を振り回し、綺麗な軌道を空中に描いたり、不安定な体勢で回転を維持する。(ポイ、メテオ、ヨーヨー、スタッフ)
○安定した状態と不安定な状態が繰り返されるもの
 ・チェンジ(並び替える) 安定した状態にある道具を、空中に投げ上げるなど不安定な状態にし、順番を入れ替えたり、形を変えたりして、再び安定した状態にする。(シガーボックス、シェーカーカップ、剣玉)
 ・ロール(転がす) 手やある箇所に保持した道具を、体の別の部分の上をバランスを保ちながら転がし、別の位置に移動させたり、不安定な位置でその状態を保ち続ける。(コンタクトジャグリング、スタッフ、ハット)

(※1:空中でない場合もある。 例えば滑り台の斜面でボールを転がしたりする場合など。)

もしかしたら、他にもあるかもしれませんし、回しながらバランスをしたり、投げて並び替えた後バランスするといった複合したものもありますが、
ある道具を「投げる」「回す」「バランスする」「並び替える」「転がす」ことは、「ジャグリング」と認識されると思います。

そして、道具は常に「不安定な状態」なので、手元が狂うなどの要因で、下記のような「失敗」が起こります。
 トス→手でつかむことができず、地面に落下する。
 スピン→回転が止まる。補助道具から反れて地面に落下する。
 バランス→重心の制御ができず、倒れたり地面に落下したりする。
 スイング→絡まる、体に当たる、手から離れるなどの状態になり、回転を失う。
 チェンジ→不安定な状態から安定した状態に戻すことができず、地面に落下する。
 ロール→転がす最中にコントロールを失い、地面に落下したり、止まる。

手元の狂ったボールがぼたぼたと落ちる状態は、「いかにそれまでジャグラーが不安定なことをやっていたか」ということがわかる瞬間でもあり、
「あっ、あれはなんだ!!!」と空を指差す、などと、あらかじめ準備していたネタを使って笑いを取ったりすることもできるのですが、
ジャグリングの大会では、冷静な審査員に「正」の字に棒を一本加えられてしまうでしょう。

上でも少し触れましたが、手元が狂った結果、道具の落下を回避するために「不安定な状態」を強制的に止め、「安定した状態」に戻すこともあります。
これも、見る人から見れば「失敗」ですが、ジャグリングの大会では目を瞑ってもらえる傾向にあります。

以上が「ジャグリングとは何か」の僕なりの解説です。

このように、「ジャグリングとは何ぞや?」ということを語り始めると、
非常にディープな話になってしまいます。
皆様ついてこられましたでしょうか。

編集部の方に「ディープすぎる」と怒られたら、次からはもっとあっさりした内容にしたいと思います……。

2011/12/21 12:00 | ryuhan | No Comments