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2010/12/11

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仕事場からの帰り道。

ようやくたどり着いた地元のバス停,その近くのお花屋さんで

クリスマスツリー用のモミの木をじっくり選んでいる,若いご夫婦。

肩までくらいの大きさで,ちょっと上向きに腕をそらしたような枝。

彩る緑の葉っぱが美しい。

その木が華やかに飾られる,温かい家庭の片隅を想像する。

 

大きなツリー,小さなツリー

沢山のごちそう,素朴な団らん

山のようなプレゼント,ささやかな一包み。

大きさも賑やかさも それぞれだけれど

皆が いつもと少し違う,うきうきした気分になれる

そんな季節が訪れています。

 

実際のクリスマス当日はというと

タクシー除く全交通網が完全停止するなど,なかなか過酷な現実が待ち受けているのですが,詳しくは また次の機会に

 

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みなさんこんにちは。 一週間お変わりありませんでしたか?

今週は,もうすこし自己紹介の延長を。

仕事としてのイラストレーションについて 少しお話ししたいと思います。

 

さて,巷では順調に 年に一度の大行事に向け準備をしている様ですが

わたしの勤める出版社には 残念ながらあまり関係のないお話。

本日ようやく 年内に発行する号の表紙絵を終わらせて

ちょっと安心したところではあるのですが

(実は昨日出してOKだったはずなのに 今朝になって一部にダメ出しがあり,放心状態に陥りながら 急遽手直しすることに。大変な一日でした。)

すでに年始発行分の記事が手元にあるので 一息つく時間はなさそうです。

 

夏に卒業してから,各種デザイン会社や出版社にCV (Curriculum vitae/イギリスでは履歴書をこう呼びます)を送り続け,転がり込んだ経済/ビジネス雑誌の出版社に勤めてもうすぐ半年。

経済/ビジネスに関しては 予備知識などほぼ皆無の自分。

専門用語だらけの英語論文を読みこなす事そのものに ずいぶんと苦労しましたが,

ひと月に約10本も読んで 30枚近くのイラストレーションを描くうち 

だいぶん慣れてきました。(まだまだ のろのろ,ですが…。)

 

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The European Business Review最新号の表紙。

 

挿絵描きの流れを 簡単に追ってみます。

①論文を読む

  ↓

②挿絵の数,内容を考える

  ↓

③アイデアスケッチを編集ヘッドにプレゼンテーション

  ↓

④採用案スケッチをスキャン/レイアウトをデザイナーと決める

  ↓

⑤本描き

  ↓

⑥スキャン/編集/レイアウトに埋め込む↓

 

わたしの場合 4〜5本の論文をいっぺんに考え,約2週間で完成します。

論文につき平均2〜3枚の挿絵を描くので,

その間に10枚超くらい仕上げる計算。

なかなかシビアなスケジュールですが 楽しく,程よく慌ただしく

日々描き続けています。

 

ただ 学生時代つくってきた作品や,個人的な作品に比べると

当然 内容や技法などの制約が多く,戸惑う事もしばしば。

せっかく描きあげた作品も,ダメ出しが出れば大幅変更ということも。

 

「制限のある中で いかに自分らしく 作品がつくれるのか?」

 

職業絵描きの 永遠のテーマになる気がします。

 

そして

 

「隙を見て 個人的な作品も作りためるのよ。」

 

ここでも個展をやりたい という野望を叶えるべく

駆け出しイラストレーターは 今日もインクを散らして走ります

 

 それでは,みなさん よい一週間を。

また来週お会いしましょう。

2010/12/11 07:17 | chihiro | No Comments