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地球の舳先から vol.207
台湾編 vol.3
台湾の人たちは、1年前に来たときと同じく、いやそれ以上に優しかった。
1000元(約3000円)札を持って、地下鉄の自動販売機の前でウロウロしていれば
大学生とおぼしき数人のグループが作戦会議の上
「あすこで両替できますよ」とついてきてくれる。
わたしは、ひとつ用事を済ませるとマッサージ屋へ行き、
数時間のフライトでサンダルが入らなくなってしまうほどむくんだ足を
本業回帰させ、ある場所へ向かった。
私は基本的に旅をするとき、この国にはもうこの一度きりしか来ない、と思っている。
そしてそれは大抵、その通りになる。
リピートするのはよほど理由があったか気に入ったかで、キューバ、パリ、
そしてこの台湾しかいまのところ、ない。
去年の台湾の旅で、観光地はかなり広く浅く回っていたが、
だからこそやり残していたことが、とくに台北ではいくつかあった。
猫カフェ。
日本のように無菌室的なものではない。
ただのカフェに、なぜか猫が20-30匹いる、という状態。
猫さまがたはたいへん優雅で、好きなところで、寝るわ、食うわ、走るわ。
仔猫も5-6匹いて、寝ーの、引っ張り出されーの、で
日本の猫カフェではありえないフリーダムっぷり。
本棚のなかで喧嘩(じゃれあい)しまくる仔猫さまから、
室外機の上で「触んなよ。なんぞ」と下界を見渡す猫さま、
みごとな跳躍でカウンターへ飛び乗る猫さま…。
ここでポットのお茶を頼んで、長居。
猫さまは、あまり構ってくれなかったけど。
衝撃的だったのは、熱帯魚の水槽から水を飲んでいたこと。
魚のほうも、あまり気にしていない様子で、
猫さまの舌に当たると逃げたりしていた。
猫さまは、水槽に両手をついて、非常に行儀良く水を飲んでいた。
満足しきると、今度はえび釣りへ出かけた。
故宮博物館の裏手を山沿いに上がっていくとえび釣りロードがあり
10軒以上もえび釣りの店が軒を連ねているのだという。
しかしこれ、数年前に終わった台北の一時的ブームだという話を聞き、
前回までは行けずにいた。
が、今回、雨も降ってしまい屋外観光がほとんどできないこともあり
このえび釣りロードへ。直感で、「松園」へ入る。
生簀にえびが放流されていて、干しえびかレバーでそれを釣るのだ。
わたしが入ったところは1時間300元。
もとを取ろうと思ってはいけない。
達人レベルでも、1時間で6匹も釣れればよいほうなのだという。
マイ竿をもってきている常連らしき人もちらほら。
えさをつけた釣り竿をじっと垂らしているのは意外と楽しく、
ぐっと引いたなと思うとしばらく待ってから引き上げる。
しかし引き上げたのち、えびから釣り針を引き出して、
手長エビのハサミを切り…という一連の準備に時間がかかるため
意外とすぐに時間が経ってしまう。2時間コースがおすすめ。
ちなみに手長エビなので、結構重厚感はある。
釣ったエビは、2人で8尾。それにえび釣り場のおっちゃんが3尾おまけしてくれる。
生きたままのエビを串に刺し、足とひげを短く切って、塩まみれにしてコンロであぶる。
しょうゆなども用意されているのだが、何もいらないほどの美味で肉厚。
エビには半生の味噌ももれなくついていて、殻をとって頭から食らう。
これが、とにかく、意外なほどに美味しいのだ。
ただひとつ気がかりなのは、
最寄のMRT駅、士林からの往復タクシー代が、エビ釣りの倍はかかることである…。
費用対効果を見てはいけない。それを上回る楽しさが絶対ある!
夜はディンタイフォンへ行ったが、90分以上待ちは覚悟の上。
地元の点心屋さんでもおいしいところがたくさんあるから、
ブランドに負けずに開拓すべし。
ちなみにFRaUの台湾特集号は店のセレクションのセンスが良くてとても使えた。
つづく。