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ゲイのAさん(35歳)は、Bさん(32歳)と付き合い始めて2ヵ月が過ぎました。
価値観や趣味が合い、お互いに長い付き合いができるパートナーなのではないかと思い始め、周囲の仲間たちも認めるベストカップルになっていました。
ある日、AさんとBさんは、お互いの過去について赤裸々に告白し合い、恋愛遍歴についての話になりました。
お互いにそれなりの年齢なので、たいていの過去は問わないという暗黙の了解のもと、過去の恋人の話に花を咲かせていました。
ところが、AさんがBさんに、ある男性(Cさん)の話をした瞬間、Bさんの表情が凍りつきました。
実はCさんは、過去にBさんが好意を寄せていた人で、肉体関係はあったけれども、妻子持ちということで恋愛関係は断られたというのです。
Aさんは、CさんとBさんが関係を持った同時期に恋人であったわけですが、妻子持ちとは知らなかったとのこと。
二人とも、「エ~!!」と顔を見合わせてしばしの沈黙の時が流れたそうです。
なんと、この件がきっかけでAさんとBさんは気まずくなってしまい、結局別れてしまいました。
AさんとBさんは、それぞれの過去の男であるCさんのために、現在のパートナーを失う憂き目に遭いました。
ゲイやレズビアンの方の中には、恋愛経験が尋常でないほど豊富な方が多くいらっしゃいます。
恋愛だけでなく、肉体関係の相手も数えると、もう数えきれないという人も多いでしょう。
過去を捨てて、今を生きているという心づもりでも、AさんやBさんのように自分の都合だけでは捨てられない過去もあるということを少しは意識して欲しいです。
そして、世間は狭いということ。。
ゲイやレズビアンの世界はまだまだ狭いです。
また、Cさんのような人が、実は多くいるのも事実で、「裏の顔」的にLGBTの世界に潜り込んでいる場合がよくあります。
カミングアウトすることが『善』とは限りませんが、同じセクシャルマイノリティを騙して、弄ぶことも少なくありません。
「既婚でゲイ」とか「既婚でビアン」ということも、理屈的には間違っているようですが、実在します。
こうした人をバイセクシャルと呼ぶべきなのかは、正直わかりません。
ただ、AさんやBさんの様に、既婚の相手に騙されるいうケースは多いです。
どうせなら既婚者は既婚者同士でくっついた方がマシだと思いますが、既婚者であることをオープンにしている人はほとんどいないようです。
真剣にパートナーを探しているゲイやレズビアンが、魅力的な既婚でゲイ(orレズビアン)の遊び人と出会ってしまう場合が一番危険なようです。
中には、そうした「日影の恋」を望んで、既婚者とお付き合いをする人もいるようですが、リスクは相当あるでしょう。
身も心もドップリとLGBTの世界にはまっている人と、遊びでしかない人とが混在しているという現実。
ある若いゲイの子が言っていた言葉を思い出しました。
「将来的には結婚して子供が欲しいので、ある程度の年齢になったらゲイを卒業します」
私は、LGBTの人と接するようになって、この分野の事を様々な本や情報で勉強してきました。
でも、そうした勉強の中では、前述のような若い子の感覚は理論的に説明できません。
だからころ、セクシャリティの区別がナンセンスに思えてくるのです。
恋愛としてのセクシャリティと、性的衝動としてのセクシャリティを分けて考えるような人もいます。
曖昧な中に、それぞれ個人個人のルールがあって、それを体系的に説明するのは難しいのです。
単に、バイセクシャルな人が増えているだけなのではないか?と思ったこともあります。
でも、それを結論にしてしまうには、少々違和感があります。
セクシャリティというのは、L・G・B・Tとヘテロセクシャル(異性愛者)を、それぞれ明確にぶった切って考えられるものではなく、境界が曖昧な部分を誰しもが先天的に持っているのではないかとも思うのです。
それが、後天的な環境や教育などで凝り固まってしまう人と、ある程度曖昧な要素を持ったまま育ち、行動に現わしてしまう人がいるのではないかと。
トランスジェンダーや性同一性障害については、遺伝子のレベルで何らかの変化がみられるようなレポートが発表されていますが、ゲイとレズビアンとバイセクシャルについては、私の曖昧理論がもしかしたら当てはまるのかもしれません。