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愛を真っ直ぐ語ると、どうしてもありきたりな話になりがちです。
そんなことをここで熱く語っても仕方がないので、
ちょっと変わった角度で「愛」について話をします。
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ボランティアというと、関わっている方への報酬の有無を問わず、
善意のやり取りが行われているかどうか。
また、その行為に最も比重が置かれているか。
最近のボランティアは、この辺りが重視されています。
でも、日本では、どうしても報酬の有無に目がいきがちです。
確かに、ボランティア組織を運営していく上ではお金は大切ですが、
個人レベルでは、善意のやり取りの中で、報酬としてのお金の有無は、
大した問題ではないとはっきりと言えます。
愛は、(人間が生きてゆく上で大切な事を)多くの意味を含んだ最強の言葉です。
だから、愛の意味を語るとき、「善意」と言う言葉も入ると私は考えています。
善意はボランティアの根源をなす言葉です。
私の友人の「愛・善意」についてお話をすすめます。
彼女は、風俗店で働く女性。いわば「プロ」です。
だから、「ボランティアじゃない!」と言われれば、あえて反論はしません。
ただ、今日は、ボランティアの言葉の意味や定義を直接的に語るのではなく、
純粋に、「こんな愛もあるよ~」みたいなノリでお話をすすながら、
ボランティアのあり方も考えたいと思います。
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彼女は私の元部下で、ある日、その会社を退職し、何故か風俗店に勤めることに。
年齢は私より上で、若い女性が、人気を博する世界ですが、彼女はまだ現役なんですよ。
そのキャリアは10年以上!
彼女の家にはたくさんの借金があったようです。
それは、夫が作った借金なのですが、返済のため風俗の世界へ。
数年で返済を終えたので辞めようと思った様ですが、
何故か、10数年も続けることに。その訳は。。。
「彼女」と連発すると、ちょっと変なんでAさんとしましょうか。
Aさんは、入店してから面白いことに気づきました。
それは、お話をするだけの客が多いことです。
職場にも家庭にも居場所のないと思われる男性。
最初は、中年サラリーマンが多かったけど、
若い人も段々増えてきているようです。
あと、もうひとつが、障害をもっておられる方の利用も多いことです。
最初は少しびっくりしたAさんですが、そのうちに、
そういう境遇の男性を愛しいと感じるようになった自分に気づいたそうです。
人前ではリラックスして話ができない人、居場所が無くて寂しい人、借金がいっぱいの人、
障害など困難な状況の人、そんな男性と向き合う瞬間、心の底から湧き出す不思議な愛情。
こういう「愛」もあるんですね。
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最近、セックスボランティアと言う言葉がマスコミなどでも取り上げられるようになってきましたね。
「障害をもっている人は、性欲は我慢しなさい!」なんて、考えてみたら変な話です。
様々な障害があったとしても、人として生まれてきた以上、当たり前の欲求です。
そこに善意の手をということで、有料ですが、性的な満足感と心の安らぎを得られるよう、
その行為の補助をするNPOが各地で増えてきています。
Aさんの場合は、そういう流れとは相反しますが、サービスを提供している瞬間の、
Aさんの精神状態は、上の組織の方とそう差はないでしょう。
Aさんは、そんな自分が好きだし、そういうAさんに心惹かれて通い続ける男性が居る。
これって、Aさんの愛・善意に触れて癒される男性がいるってことですよね。
癒されている男性を見て、心が満たされるAさんがいると言うことでもあります。
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人は、人からその存在を認められると嬉しいものです。
愛は、「あなたの存在を認めました」というメッセージの一つの形。
孤独とは、その反対の状態を指します。
難病の患者さんは、うつ病を併発する方がいます。
難病が自分の生命を脅かしていると言う事実と、
孤独感がその患者さんの心を病ませます。
人が生きてゆく上で大切なのは、愛を実感すること。
愛を実感すると生きる勇気と希望がわいてきます。
愛の形は人それぞれですが、愛を感じながら生きてゆくことが、
人生の最大の幸せであることは間違いないと思います。
あなたも始めてみませんか?
あなただから伝えることができる愛。
待っている人がきっといます。