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日本画といえば、絹に描いた掛け軸のイメージをお持ちの方もおられると思います。
現代ではどちらかといえば、麻紙に描く日本画が主流なのですが、 絵絹の絵肌の光沢は、とても美しく、独特の風合いを持ちます。
是非マスターして欲しいのですが、なかなか絹を張る方もいなくなったので、こちらで簡単に御説明します。
用意するもの
絵絹(日本画画材店で手に入ります)2丁樋(3丁樋でも可)、絹枠の最大横幅にあわせて購入します。
絹枠(日本画画材店で手に入ります、自作も可、ただし継ぎ目が平らになるように)
糊(でんぷん糊、できれば生麩糊を炊く)
湯
画鋲
メンディングテープ
まず、絵絹の上下を絹枠にあわせて切断します。
縦糸が上下になるよう、絹地の耳が左右に来るようにします。
新品の絹枠には、捨て糊といって、糊代になる部分にあらかじめ、たっぷりと糊をします。
絹の表裏を確かめ(内側に巻いてある側が表)、表が上になるようにして、上辺に載せ画鋲で中央から数箇所固定します。
次に、下辺も画鋲で中央から数箇所固定します。
横2辺を左右均等に引張り気味にして、画鋲で中央から固定します。
絵絹は、縦糸がより収縮します。
ですから、左右を引き気味にしておくと、上下はうまく引っ張ってくれます。
絹目が並行に通るように確かめながら行います。
少々はたわみがあっても、湯引きをすればきちんと張ってくれます。
木枠の糊しろ部分に、絹の上からしっかりと糊をします。
数時間して完全に糊が乾いたら、木枠の部分に防水のため、メンディングテープをします。
絵絹の絹枠より内の部分全体に、湯引きといって、熱湯をボールなどにあけたものを、刷毛で引きます。
刷毛の根元に湯がかかりすぎると、刷毛を接着している糊がとけるので、手早く行いましょう。
湯引きが終わるときれいに絹が張った状態だと思います。
それから、紙の場合の3~5倍くらいの薄さのドーサを引きます。
慣れない方は、かなり薄めのドーサで行って試してください。
私の日本画教室では、初めの抵抗がないうちから、絵絹を張って日本画を描いたりもしています。初心の方でも、案外うまく絹に描きますし、はじめに誰かに教わりさえすれば、さほど困難な技術ではありません。
かえって、ぼかしや細かい表現などもしやすいので、これからの可能性を感じる基底材です。
御参考にしてください。