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今回は、中橋とマスコミ関係者の瀬田さん(仮名・年齢性別秘密)の対談です。
中「今回の対談は、マスコミ関係者の方との対談をしたいという私の願望から実現したものですが、最初に何か注意点はありますか?(笑)」
瀬田「まず、氏名年齢性別やどういった種類のマスコミ関係者かは秘密にしてもらって、万が一、発言の中で実在の会社名や人名が出た場合には、ピーを入れてもらいたいです(苦笑)」
中「記事なので、ピーは入れらませんが、墨塗りみたいにしますね」
瀬田「あぁ、そうか。ピーは意味無いですね(笑)」
中「瀬田さんは、ピーを入れるのに慣れているかもしれませんが、私は慣れていませんよ」
瀬田「そういうツッコミは止めましょう(焦) あぁ、取材されるのに慣れてないなぁ私」
中「ちょっと意地悪でしたね。さて、話題を変えて、私がマスコミの方と対談をしたかったのは、取材をする側の人達が、LGBTについてどういう問題意識をもっているのかとか、マスコミの内部でのLGBTに対する認識を伺ってみたかったのです」
瀬田「それは、大半のマスコミの内部の人間は、一般の方と何ら認識は変わらないと思いますよ。もちろん、社会的な問題に対して意識を研ぎ澄ましているような記者は、LGBTが抱える問題に関してもよく勉強をして正しい認識を持っているかもしれませんが、それはやはり一部の人間であって、正直言って、ただ単にセンセーショナルな話題を作り易い分野のことであるとしか思っていない人が多いと思います」
中「センセーショナルな話題を作り易いとは?」
瀬田「マイノリティとして生きていくことは、多くの困難にぶつかるわけですよね。仕事や家庭で、そういった困難をどう乗り越えていくのかとか、乗り越えられずに挫折してしまうとか、そういう姿そのものがセンセーショナルに映ると思うんです」
中「それを報道することが、話題になると?」
瀬田「そうですね。一般人にとっては、非日常な話なわけですよ。確かに、一定の割合でLGBTの方々が存在するというのはわかります。しかし、仕事や家庭に身近にいるという人はまだまだ少ないでしょうし、自分の知らない世界の話として、ある意味、好奇心の刺激的な要素もあると思うんです。また、大変申し訳ないですけど、一種の不幸話に耳を傾けたいという人は多くいます」
中「確かに、身近にLGBTの人がいない方にとっては、全くの他人事に過ぎないでしょうね。でも、不幸話というのは、あんまりかと…」
瀬田「LGBTであるということ自体が不幸であるというのは偏見だと思いますから、それは倫理的にいけないのでしょうが、LGBTの方が困難に遭遇しているという状況自体を不幸話として興味をそそられるのかもしれません」
中「幸せなLGBTの話はウケが良くないわけですか!?」
瀬田「う~ん、現状ではそうでしょうね」
中「そもそもマスコミが、LGBTを取り上げる意味は何ですか?」
瀬田「結局のところ非日常だと思うんですね。その非日常さからくる独自の視点や所作そのもの等、時には滑稽に映るでしょうが、ある意味新鮮なんです。報道にせよ、バラエティーにせよ、そういうマイノリティの姿を映し出したり、記事にすることは、大衆の興味をひくのです。LGBTのことを、好きとか嫌いとか、そういう意識を持ってもらうこと自体、ある意味、マスコミの術中にハマってもらったということなのかもしれません」
中「報道にせよ、バラエティーにせよ、LGBTの人やその話題が登場することは日常的になってきました。そのことで、存在の認知度は上がっていますが、彼らの権利については何ら制度的な進展はありませんし、むしろ、誤解や偏見を助長しているような場面も見受けられます。私が危惧しているのは、結局、見世物にさせられて終わっているのではないかということです」
瀬田「そういう解釈も成り立つと思います。ただ、タレントは、見世物になることを自ら志願して出演しているわけですから、それを悪だとすると、彼らの仕事が無くなりますよ」
中「確かにそうですね。どうも彼らはあまり、LGBTの権利擁護云々については、きちんとした発言をしていないように感じます。そういう趣旨で出演しているわけではないからでしょうが…」
瀬田「LGBTと思わしきタレントさんが、必ずしもLGBTの権利擁護運動の旗を振っているわけではありません。そうした意識について、詳しく擦り合わせた上で、報道や出演しているわけではないでしょう」
中「LGBTに関する社会問題、例えば、同性婚やパートナーシップ制度について、大々的に報道するということはあまりないような気がしますが? というか、報道されても、一時的で長続きしませんよね?」
瀬田「そうですね。この問題は非常に微妙な問題なんです。私自身、こうした問題を取り上げるにあたって、上司から激しく反対されたり、同僚から好奇の目で見られたりしました。一人のマスコミ人として、確固たる信念が無いと取り組みにくい問題なんです」
中「同じようなお話しは、他のマスコミ関係者からも聞いたことがあります」
瀬田「マスコミも一般の会社と変わりません。LGBTを毛嫌いするような人が上の立場にいたら、真面目な報道として扱うことは難しいでしょう。バラエティーなら別でしょうけど」
中「なるほど。やはりそうでしたか」
瀬田「LGBTの権利擁護運動は、マスコミが主導することは、絶対にあり得ません。当事者の皆さんが団結して取り組むことが一番大切でしょう」
中「そうですね。日本でもいつかそういう動きが活発になる時が来ると思います。その時には、正しい報道をして下さいね」
瀬田「私ごときが全マスコミを代表するのもなんですけど、しっかり勉強して報道しようと思います」
中「今日はありがとうございました」
瀬田「こちらこそ」