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2011/08/13

プロサッカーの試合には毎回多くのカメラマンがピッチ際にスタンバイして、プレー中の選手の写真を撮っている。彼らプロカメラマンに撮られた写真は、雑誌、インターネット、新聞など様々なメディアに掲載される。プレー中の選手の写真は、その瞬間瞬間が上手く描かれていて戦いの激しさや物語性が観ている方にも伝わってくる。

そんなサッカーの試合での写真には、実は選手以外にもう一つ大切な物が映っている。試合を観に来ている観客だ。もっと言うと、観客の表情だ。戦いの激しさや物語性が表現されているプレーの瞬間の写真には、そのプレーを同じように表す観客の表情が描写されている。

サッカーはそのプレーが観ている人の喜怒哀楽を決め、そのツボは全世界共通のものとなり、サッカーを目の前にすると国籍、文化、人種、全てフラットになり関係なくなってしまう。そんな力を持っている。

僕はメディアに掲載されているサッカーの試合中の写真を観ると、必ずそこに観客の表情が写っているか確認する。試合を観ている観客の表情を観るのが好きだから。そこにサッカーが持っている力が全て映っているから。それを見る事がサッカーを仕事にしている自分が生き甲斐を感じる時でもあるから。

ゴールが決まった瞬間の観客の表情には、喜びだけでなく、悲しみや怒りも含まれる。ゴールを決めて喜ぶ選手や監督の後ろで、それを心底残念に思うサポーターがいたり、心底喜んでいるサポーターがいたり。

ゴールが決まるかどうか固唾を飲んでみている表情、ゴールを入れさせまいと相手選手にプレッシャーをかけている表情、自分の仕事を忘れて試合を観ている警備員のその瞬間の表情、そこにはサッカーが人々に与えている力が映されているのです。

僕はサッカーを仕事にしているから、もっともっと多くの人にサッカーを通して喜怒哀楽を伝えたいと思う。サッカーを通してもっともっと多くの人の心を揺さぶりたいたいと思う。と同時に選手には、自分のプレーの一つ一つが観客の心を動かしているのだと自覚を持ってプレーして欲しいと思う。

僕が仮にサッカーのミュージアムを作るとしたら、この観客の表情が映されている写真を展示するなぁ。これを読んでくれている読者のみなさんも、次回サッカーの写真を目にする機会があったらぜひ、観客の表情にも注目してみてください。スタジアムの構造上の問題もあるので、Jリーグの試合の写真にはなかなか観客の表情が映り込む事は無いと思いますが。。。ヨーロッパのようにピッチと観客席が近距離のところでは見れます。

ちなみにこのコラムに掲載されているプレミアリーグの写真は全て、プレミアリーグの公式サイトのものです。

http://www.premierleague.com/page/Photos/0,,12306,00.html

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2011/08/13 12:04 | shinsuke | No Comments