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北海道も連日、30度を超えて暑い日が続きます。
夜が寝苦しくて、結構大変です。
でも、お盆が過ぎると急速に涼しくなるのが北海道です。
もうひとがんばりです。
ところで・・・・・・
歯科医院が多いということを表すのによく使われるのがコンビニとの数の比較だそうです。確かに、歯科医院は多いように思います。しかも、歯科医院のすぐ近くに歯科医院がどんどんできています。
私立大学では歯学部の定員割れもささやかれるとか・・・・・
果たしてその実態は?
(1) コンビニの数: 日本経済新聞社の2007年度コンビニエンスストア調査によると、店舗数は44,542。
(2) 歯科医院の数: 2008年7月の医療施設動態調査によると68,075。
(3) コンビニの売上高合計: 日本経済新聞社の2007年度コンビニエンスストア調査によると、7兆8249億円。
(4) 歯科医院の売上高合計: 厚生労働省の国民医療費調査によると2006年の歯科医療費は2兆5039億円。
これらの数字からみると、確かに単純計算では歯科医院の数はコンビニの数の約1.53倍です。
また1施設あたりの売上を見ると、歯科医院は約3678万円、コンビニは約1億7567万円となるしうで、売上高を比べても歯科医院はコンビニのわずか20%にしかすぎません。
でも、そもそも業態の違う商売を単純に数値比較しても意味は無いので、少しでも近づけるべくさらに計算を進めると、
(5) 歯科医院の粗利益率: 約75%。
(6) コンビニの粗利益率: 約18%
これらの数字から。
(7) 歯科医院の粗利益額: 3678万円×75%=2759万円
(8) コンビニの粗利益額: 1億7567万円×18%=3162万円
となります。
これだと、さすがに生き残るのは大変かも。
我が業界も大学定員増がささやかれるが、やめた方がいいでしょう。
年間900名くらい増えるのがちょうどいいのでは?
まあ、コンビニと比べること自体が誤りでしょうね。
小売と医療ですから。
ところで、歯科衛生士は不足しているらしいのです。
修業年限が2年から3年に移行する期間にあたることと、歯科衛生士の資格を持ちながら、就業する人がすくないのも一因だそうです。
就業歯科医師が約9万3千人なのに対して、歯科衛生士の有資格者は約19万6千人で、そのうち就業している人は約8万人となっているのです。女性中心の職場なので、実働数が少なく、歯科衛生士不足が慢性化し、歯科界では深刻な問題となっているのです。
また、歯科医院でもほとんどのところで1名の雇用で運営していることから、「きつい」とのイメージがあるのでしょうか?
老齢社会になり、在宅介護の現場では歯科衛生士による口腔衛生管理に対するニーズが高まっているのも要因らしいですね。
「女性の多い職業は結婚、子育てなどの理由による退職者が多いのが常なのです。求人で歯科衛生士を新規採用しても、その一方では以前から働いていた歯科衛生士が辞めるので、イタチごっこの状態が続いているのです。」
とのこと。
求人で歯科衛生士の応募者が少ないのは、いま全国の病院で深刻な問題になっている看護師不足と根は同じで、そもそも歯科衛生士の絶対数も不足しているし、求人は増加しているということです。
老齢社会になり、医療分野での需要は高まるのですが、それに見合うマンパワーと財政力の不足が将来の不安に繋がる前に、手を打てないものでしょうか?今の、政治では無理でしょう。