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2016/11/23

声の仕事をしていてよく感じる事があります。それはー

時間との戦い

みたいな事です。

収録時間とやらがどの程度の時間なのか…なかなか想像しにくいと思いますし仕事の内容にもよりますがー

じっくりしっかり時間をかけて満足の行くような表現を収録する…といったような現場はあまり無いんです。

ザックリ言ってしまえば、一発OKが理想的…みたいな仕事が多いです。

手を抜いているだとかって事では無く、単純に時間が無いから早く収録してしまいたいと思っているような現場が多いという事です。ザックリわかりやすく言うと、早く収録を終わらせないとOAや納期に間に合わないといったような感じの事ですね。

なので、そんなピリピリムードの中で何度も何度も失敗したり、何とも微妙に残念な表現で喋ってしまったりして録り直しが多かったりすると、仕事ができない声優だなぁなんて思われてもナニがソレな感じになってしまいますのです。アフレコなどの大人数で行う収録の場合などは自分のミスの為に貴重な時間を割いて頂いちゃうなんて事になったらもうホントに死にたい気分にすらなります。

ってな感じの世界で仕事をさせて頂いているものでー

一発目…第一声から自分にできる最高のパフォーマンスを提供する必要があるって事です。

収録前に発声練習だとか何だとかって準備ができるような環境では無いので(全く無いってわけではないですが)、とにかく、これまたザックリナニがソレで言いますと、スタジオに着いたらすぐ収録…みたいなイメージで想像して貰えるとナニがソレです。

何が言いたいのかと言いますとー

現場に入った瞬間に自分の持っている100%の力を解放しなきゃいけないって事です。

そんなの当たり前なんじゃないの?プロなんだから…なんて声が聞こえてきそうですが、日常モードから瞬時に戦闘モードに切り替える作業ってのはなかなか難しいものなんですよね。まぁ、もうだいぶ慣れたつもりではいるのですが、感覚的には朝目覚めて直ぐに全力で走り出すような事をしているような感じなので、たまに自分の体が心配になったりならなかったりするわけです。

収録に時間をかけられるのであれば、きっとこんな瞬時にフルパワーを出すようなナニがソレを考える必要は無いのでしょうが、声の仕事はあまり収録に時間をかけられないのでこのようなテクニックが自然と身についたのではないかななんて思います。

第一声で50%程の力しか出せないのであれば、その程度の声優なのかと思われて終わりな場合もあるでしょう。本当はまだあと50%の力を出せる筈なのに…です。

常に全力!なんて事を言う人がいますが、声優はその言葉通り、常に全力でやらないと務まらないような仕事だと僕は思います。

現場でウォーミングアップはできないのですから。

2016/11/23 12:00 | riki | No Comments