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2016/02/03

皆さん、おはようございます。
エイプリルフールにいつものアヴェンヌで、
「セヴィリアの理髪師」を上演致します。
まずは概要をご覧下さい。

セヴィリアの理髪師
~無益な用心 或は アルマヴィーヴァ~

G.ロッシーニ作曲&C.ステルビーニ台本
P-A.カロン・ド・ボーマルシェ原作
全2幕 原語・字幕付
上演時間2時間45分

アルマヴィーヴァ伯爵:谷口 耕平
ロジーナ:山口 慧
フィガロ:坂上 洋一
ドン・バルトロ:米田 良一郎
ドン・バジリオ:大西 信太郎
ベルタ:松岡 直美
フィオレッロ&アンブロージョ
&士官:中野 文哉

合唱:神矢 匡 中川 智樹 繁 亮太

ピアノ:石原 綾乃 小林 聡子
音楽助手:向谷 紗栄
指揮・チェンバロ・演出:梵智 惇声

制作:Conceptus
サロン・ドゥ・アヴェンヌ

2016年4月1日(金)19時開演
今回がまず第1回目のご案内になります。

例によりまして、レチタティーヴォ一部カットしますが、
曲そのものには一切カットを致しません。

それどころか、1曲増えます。(笑)

No.14a として、嵐のシーンの直前に、
ロジーナのアリアが挿入されます。
初演から3年後に、その時のロジーナのために追加された、
「ああ、もし本当なら」です。
日本では藤原歌劇団の前回の公演で、
全曲上演としての初演がなされたアリアです。

そもそもロッシーニは喜劇であるブッファより、
真面目なオペラであるセリアが書きたかった人で、
セヴィリアは、実はその中間帯の作品に属します。
そしてその中にこの追加アリアを置いてみるとどうなるか・・・

確たる答えは聴いていただくしかないものの、
私の見解を言わせていただくと、
このアリア単体を見ると、完全にセリアのスタイル。
恥ずかしいことに、時折思い出してはメソメソしてます。
かなり泣けるアリアなんですよ・・・楽譜の指示に従えば。

そんなこのアリアがあることで、
セヴィリアという作品自体がもっとセリアに寄るし、
喜劇と正劇の中間帯にあるということが、
よりはっきりとわかるようになります。

そして、歌ってくれる山口慧ちゃんですけども、
彼女にお願いして正解だった、と痛感しています。
このアリアには知性、品性が不可欠ですが、
彼女の声にはその両方があります。
歌い口においてもそれを忘れさえしなければ、
曲の技巧性云々を超越したパフォーマンスになるはずです。
YouTubeにも転がっているのですが、
いずれも後半が速すぎて情緒と結びつきません。
音楽の作りにおいては、我々が上を行くと自負しています。

希望と失望、信頼と不信に苦しむ10分少々のドラマが、
嵐の場面も含めて繰り広げられます。
ここを見るだけでも、お越しになった労力が報われるでしょう。
どうか泣きに来てください。

公演日はウソ真っ盛りの日程ですが、
来てみたら、「うっそピョン!公演なんかしないよ」
なんてことはございませんので、是非お越し下さい。

2016/02/03 11:37 | bonchi | No Comments