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2015/12/18
12月に入ってもなかなか雪が降り積もらなかった。
思い描く絵の中にどうしても雪がほしかったのだ。
結局、雪を待っていても時間が過ぎ去るばかりで、
ソワソワしていた僕は我慢できずに出発することに
した。
ここは北海道北部の山間部。
暗闇の湖畔に車を止めて寝袋の中に潜り込んでから
まもなく、遠くから微かにたくさんの鳥の鳴く声が聞こ
えてきた。
耳を澄ましてみるとそれは冬の使者、ハクチョウの声。
その夜は”冬の北の自然”を象徴する声を聴きながら深い
眠りに就いた。
夜明け前、まだ暗闇の中をさらりと雪のかぶった草原を
抜けて河原にたどり着くと、突然静寂を破って流れの中
からバシャバシャと激しい音が聞こえてきた。
ドキッとして川の中をのぞき込むと、産卵を終えたサケ
達が最後の力を振り絞って川の流れに抵抗しているの
だった。
やがて空が白み始めたころ、力尽きたサケを狙って河原の
木に止まるオオワシやオジロワシの姿をあちこちに見つけた。
彼らは冬になると極東ロシアから北海道に渡ってくる
世界最大級の海ワシ。
体高が90㎝、翼を広げると2.5mという巨体は、遠く
の木の枝に止まっていても存在感は充分だった。
その姿は北方の野生生物の象徴とも言える。
僕は金色の空がワシの姿を影絵のように映し出す瞬間を
待った。
そして、その時がやってくる。
首を回す、鳴く、羽ばたく・・・。
どんな小さな瞬間も見逃さない様、長い時間ファインダー
から目を離さなかった。
とにかく、青空に変わるまでのわずかな時間が今回の撮影
のすべてだった。
次回は雪の降り積もった景色の中で彼らを捉えたい。
2015/12/18 12:48 | yamada | No Comments