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Prologue
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「尊敬している人はいますか?」
今までも毎回聞いてきた質問に、やはり「沢山いる」と即答が返ってくる。
ただ、そこにまず出てきた名前は、私にとっては少々意外なものだった。
「伊藤直樹。」
勿論、伊藤直樹さんは、天才と呼んで誰も否定しないであろうトップクリエイターだ。
しかし私を驚かせたのは、挙げられた人物が皆、年の若い方ばかりだったこと。
普段この質問をすると、皆さん、師匠や巨匠、目標としていた方の名前を挙げる。
それだけに、この質問の答えに意表をつかれたと共に、なるほど、と思った。
佐藤さんというのは、こういう人なのだ。
* * *
佐藤達郎さんは、1981年にコピーライターとして現 株式会社アサツー ディ・ケイ(以下、ADK社)に入社。以後四半世紀以上、同社でクリエイティブ畑にいたあと、博報堂DYメディアパートナーズへ。
現在は多摩美術大学で教授として広告論、メディア論などを教えている。
クリエイターという専門職でありながら、けしてヒールというわけでもなく
大きな会社で局長にまで登りつめたサラリーマンとしてのエリートでもあり、
しかしそうして長らく務めた会社をキッパリ辞めてしまう潔さも併せ持つ―
そして今は、「先生」。教えているのは、コピーではない。
単に職歴の年だけを追っていても、特殊さが際立つ。
必要最低限の情報だけをインプットして、直接佐藤さんにお話を聞くことにした。
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次回予告/Scene2;
広告人・佐藤達郎氏の場合
BBDO出向時代のマンハッタンで(6月12日公開)